「イヌナスビ」は存在しているのか?
12月26日(月)
イヌホオズキが咲いている。7月に、この花とそっくりな花が咲いていた。そのとき、何という花なのか迷いました。ワルナスビを最初に考えたが、ワルナスビには棘がある。しかし、これには棘がない。そこで、何になるのか調べたところ、何かで「イヌナスビ」という名前が頭に入った。そこで、疑問を抱きながら、仮に「イヌナスビ」と決めておき、何時か調べることにしておいた。
いろいろ調べてみました。牧野さん、寺崎さん、杉本さん、長田さん、石戸さん、保育社等権威ある人の図鑑をいくつか見ました。
7月9日撮影 12月23日撮影
特徴
花びらは白色、葉、茎とも紫がかる。葉は基の幅が広く、先が尖る、縁は波を打っている。果実は球状、緑色、熟すと黒色になる。
茎等に棘がないので、ワルナスビではないと思うので、果実が球状のものについて調べました。
牧野植物図鑑
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花びら
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果実
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咲く時期
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葉
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淡黄白色で中心部緑色
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熟すと赤色
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6―7月
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互生、卵円形、
先は鋭形または鈍形、大型の鋸歯
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センナリホオズキ
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淡黄白色
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熟すと緑色
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夏
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互生 卵形 先は短く尖る、
数個の荒い鋸歯または全縁
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ヤマホオズキ
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白色
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熟すと黄色
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夏
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卵形または卵状楕円形、先は尾状に尖る、上部に大柄の鋸歯
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ハダカホオズキ
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淡黄色
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熟すと紅色
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秋
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互生 卵状長楕円形 先が尖る、全縁
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白色
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熟すと黒色
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夏から秋
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互生 卵形、先端は鋭形または鈍形、
全縁または波状の鋸歯
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寺崎植物図譜
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花びら
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果実
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咲く時期
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葉
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白色
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熟すと赤色
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6―7月
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互生
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センナリホオズキ
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淡黄白色、内面基部は紫黒色
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緑色のがくに包まれる
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8―10月
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互生
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ヤマホオズキ
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白色
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熟すと黄色
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8―10月
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互生、先は長く尖る
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ハダカホオズキ
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淡黄色
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熟すと赤色
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8―9月
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互生、卵形で先が尖る
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白色
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熟すと黒
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8―10月
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互生
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牧野植物図鑑にはイヌナスビはない。寺崎植物図譜にはイヌナスビ、ワルナスビはない。
「イヌナスビ」はどの図鑑にもなかった。ということは、「イヌナスビ」は存在しない。インターネットに出てくる「イヌナスビ」は「イヌホオズキ」と取り間違えているのではないかと思う。
「二つを比べると同じものなのか、違うものなのか」なかなか決められない。7月と12月に咲いているという点がどうも気にかかる。各個体の適応性の違いによるのだろか。気候が変動しているのだろうか。疑問はつきません。
記 平成23年12月26日(月)