公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

舞岡公園 このハギはミヤギノハギになる

99日(水)
 
 古民家の庭にハギがあった。このハギはハギの仲間のどれに入るのだろうか。今日ここの公園を訪れた目的の1つにハギを調べることにあった。
 既に花の大方は散り、花の特徴が捉えられるか気になったが、近づくと数は少なかったが、写真に収めることが出来た。枝が垂れていると、ミヤギノハギであると一般の説になっているが、先日別の場所で枝が垂れていてもミヤギノハギにはならない例を見てきた。このハギはやはり枝が垂れている。「枝が垂れている」と判断するのはどの程度垂れた状況で判断しているのか、その基準が分からない。ヤマハギは枝が垂れないと説明されている資料が多いが、垂れていると思えるものもある。ただ自分自身でまだヤマハギミヤギノハギの違いが分かっていないところもあるのは確かである。

試料
イメージ 1
枝が垂れている

イメージ 2
両端が狭まった細長い楕円形

イメージ 3
竜骨弁が側弁より長い

観察事項
・枝は垂れている
・葉の両端の幅が狭くなっている。
・頂小葉・・・長さ:5㎝、幅:2.5㎝ 柄:1.5
・側小葉・・・長さ:3.5㎝、幅:1.8㎝ 柄:0
3出葉の柄の長さ・・・2
・花序・・・13
・花弁・・・1.5

観察事項のポイントをを整理してみた。
 1.枝が垂れている
 2.葉の両端の幅が狭くなっている
 3.花序の長さ
この3点から判断して、このハギはミヤギノハギであろうと予想をした。
 
ハギの分類の観点として、萼、萼歯がよく使われているので、ここを注意して見た。
イメージ 4
萼歯が長い

イメージ 5
裂片の1つが長い
 
・萼歯は深く切れ込んでおり、萼筒より長い
・萼歯の先端は細く伸びている
・花柄とともに沢山の毛で覆われている
・裂片の1つが長い

萼、萼歯について資料を調べて見た。

・萼歯は鈍頭-鋭頭、筒部と同長または短い。(保育社図鑑)
・萼は中央部まで深く4裂し、上裂は全縁かあるいは浅く2裂する。(牧野植物図鑑)
 
・萼は深く4裂し、ニシキハギより裂片は長く、鋭尖し、1脈がある。(保育社図鑑)
・萼は深く5裂し、裂片は皮針形で、先端は尖る。(牧野植物図鑑)
・萼歯の先が尖り、最下の萼歯が最も長く、萼筒より長い。(三河の野草)
 
 資料を参考にし、萼歯が深く切れ込んで、先が細く伸びる(鋭尖)ということを考えると、試料はヤマハギよりもミヤギノハギと見たほうがよさそうに思える。
 

撮影:827
 

  記  平成2798日(火)