公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

円海山「ハナタデ、アメリカセンダングサ、カラムシ、ママコノシリヌグイ、ノササゲ」

930日(日)
 
 今日は久しぶりに円海山の方へ行くことにした。バス停から団地を横に見ながら坂道を上って行った。今日は、曇り空で寒いように思ったが、歩いていると、汗が滲んできた。真っすぐ進んできた道が行き止まりになると、左側に山道へ通じる道が現れて来た。この道がいっしんどうへ通じている。家並みがなくなると、急に細い山道へ入った。最初は山茶花あたりが道沿いに続いていたが、それが途切れると、人があまり通りそうもないようで、道の両側は草が生い茂っていた。
イメージ 1
いっしんどうへの入口
 
 ピンクの小さな花が見え出したので、カメラを出し写真に収めた。この花はハナタデになりそうだ。ハナタデはヤブタデともいう。タデの仲間は、花が開いているときが少ないので、詳細は知り難い。下記の資料1で、ハナタデの詳細を書き留めたので、それを読みながら、このタデを見直した。葉腋から出た柄は途中で2本に分かれ、それぞれの先に小花を疎らにつけている。小花は、鞘から2本の赤みを帯びた花柄が出て、その先に1つずつ小花をつけている。また、鞘の先には長い毛がある。葉について、資料2では、「卵形〜長卵形で、先は急に細くなり尾状にとがり」と説明されている。葉の形は分かり難いが、後半の部分は確認できた。
イメージ 2
ハナタデ

イメージ 3
ハナタデの花
 
 少し中へ進むと、アメリカセンダングサが見えてきた。アメリカセンダングサは花の下に細長い総苞片が放射状にあるので、他のセンダングサとは区別が付く。水辺近くにあり、センダングサの仲間では最後に花を咲かせるようだ。
イメージ 4
 
 ヤブマオが沢山見えたと思ったが、花序が何本もまとまって垂れているので、ヤブマオとは様子が違うことが分かって来た。これはカラムシで以前よく間違えていた。枝の上につく花序は雌花で、雄花は下の方につき数が少ない。
イメージ 5
カラムシ

イメージ 6
カラムシの雌花
 
 ピンク色の小さな花が見えてきた。こんなところにあるのはどんな花だろうか、と興味を持って近づいて行った。すると、ママコノシリヌグイであった。ママコノシリヌグイは荒地にたまに見ることがあるが、ここは群生している。しかも、いろいろなものと絡み合って、目の高さぐらいまでにもなっている。今迄は見下ろして見たものだが、ここは見下ろす必要がない。ママコノシリヌグイの蔓を触ると逆棘があり、痛さを感じる。花を見ていくと、蕾が圧倒的に多い。何処かに開いている花はないかと探すと、見つかった。花弁が5枚あり、中に雄しべが数本見える。ママコノシリヌグイタデ科の植物なので、花弁に見えるのは萼である。牧野新日本植物図鑑によると、萼は深く5裂し、淡紅色で、先端は紅色と説明されている。確かにそのように見えた。
イメージ 7

イメージ 8
 
 ママコノシリヌグイの群生を見ていると、奥の方にヒヨドリジョウゴの花が見えた。何株かあるかと見たが、ここだけのようだ。白色の花弁が反り返り、雄しべと雌しべが突き出た姿は独特である。
イメージ 9
 
 この群生の中に、もう1つ黄色い花をつけた蔓性のものがあった。つい最近、トキリマメを見て来たばかりなので、トキリマメと思って注意して見ようとしなかった。しかし、確認だけはしておこうと見ると、葉がトキリマメとは違っていた。それだけでなく、トキリマメの時、一緒に考得たタンキリマメとも違っていた。下記の資料の中のマメ科の植物を見ていくと、花の形が似ているものとしてノササゲ属があった。それを開くと、葉がそっくりなものがあり、ノササゲと分かった。花を比べると、そっくりであった。
イメージ 10
ノササゲ

イメージ 11
ノササゲの花
 
 左右が草で覆われ、殆ど人が通らないような細い道になって来た。ここでも左側にはママコノシリヌグイの群生が続いえいる。道の反対側を見ると、クズの花が顔を出した。これもマメ科の花で、非常に大きな花である。下記の資料で、クズの花を詳しく見たことがあったので、見直した。「竜骨弁は下の部分が翼弁の外に出ているが、翼弁によって左右からかたく包み込まれていた。雄しべ等は基の部分が1つに合着しているというので、竜骨弁を開いてみた。すると、その姿がはっきりと見えてきた」と書いていた。この時見た「雄しべ等が基の部分で1つに合着している・・・」この姿は今でも鮮明に覚えている。
イメージ 12
クズの花

撮影:924

  記  平成30927日(木)