公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

舞岡公園「ミゾシダ、ヤブミョウガ、リョウメンシダ」

930日(日)
 
 このシダの名前は何というのだろうか。柄が30cm、葉身が40cmとやや葉身の方が長い。中軸は短い毛が開出しており、中軸から出る小羽片は、基へ近づくと短くなって来る。ハシゴシダの仲間のように見えたので、特徴を調べていくと、胞子の分布へきて、違うことが分かった。資料1によると、ハシゴシダの仲間の胞子嚢群は辺縁近くにつき、包膜は円腎形、有毛であるという。このシダの胞子布分布は線状で、八の字形になっている。
 「線状の胞子嚢」で検索してみた(資料2)。すると、ミゾシダの名前が出て来た。開いてみていくと、よく似ていた。ミゾシダは以前調べたことがあり、名前は知っていたが、殆ど記憶から消えていた。そこで、資料を遡って見直した。すると、資料3でミゾシダを見つけていたことが分かった。
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ミゾシダ

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ミゾシダ:中軸は薄い紫色を帯びている 
中軸に短い毛が開出しいる 裂片の表面縁に棘が見られる

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ミゾシダ:最下羽片の基部の裂片は小さく、貧弱である。

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ミゾシダの柄

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胞子布分布は線状で、八の字形
 
 左側の藪の中のキツリフネが見えなくなると、キツリフネの群落に接するようにヤブミョウガの群落が現れて来た。見ると花が咲いている。先日も三ツ池公園ヤブミョウガを見て来た。その時は、ヤブミョウガの花について詳しいことを知らなかった。今日、下記の資料を見ると、「1株の中に雄花と雌花があり・・・」ということが書かれていた。これを読み、雄花と雌花を探してみた。雄花は雄しべが長く伸びており、その先に葯が付いている。雌しべは写真からはよく分からない。雌花を見ると、花の中央から長い雌しべが突き出ていて、下の方に雄しべが微かに見える。白色の長い糸のようなものが出ているのは、資料から若い果実と分かった。先日も書いたが、6月から今日まで花の姿が見られるとは、ヤブミョウガの花期が随分長いことが分かってきた。
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ヤブミョウガ:雄花と若い果実

 このシダはリョウメンシダになる。先日、古民家の門の前で偶然見たが、その後、見ることがなかったが、ここでも偶然見ることが出来た。リョウメンシダは表裏が分からないくらいそっくりである。早速、裏返してみた。
羽片はきれいな緑色で、柔らかい。葉身は2回羽状複葉で、小羽片は更に裂片に分かれている。先日は、胞子嚢の分布を見ようと、羽片の裏を見たが、どこにも見つからなかった。今日改めて確認したが、最初は見つからなかった。羽片を裏返していくと、下の方の羽片に白色の大きな円形の胞子嚢が見つかった。
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リョウメンシダ:表

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リョウメンシダ:裏

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円形の胞子嚢の分布

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リョウメンシダ:柄

撮影:918

  記  平成30927日(木)