公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

ススキとセイバンモロコシ

8月19日(月)
 
  毎年この時期になると、「ススキとセイバンモロコシはどうやって区別したらよいのか」と迷う。穂が出てくる時期で考えれば、セイバンモロコシが早く、ススキが後になる。穂が出た後では区別はやさしい。知りたいのは、「穂が出る前の葉を見て、これはセイバンモロコシ,こちらはススキ」と区別することである。毎年、同じことを課題にして考えているが、解決に至っていない。
 
イメージ 1
ススキ? セイバンモロコシ?
 
 上の写真は、セイバンモロコシかそれともススキか。中央に白線が見えるはずだが、これには白線が見えない。すると、どちらでもないと言うことになる。それでは何になるのだろう。どのように考えても、これは2つのうちのいずれかであると思える。そこでいろいろ文献等に当たった。
 
牧野植物図鑑
ススキ
先端は次第に尖り、縁に鋸歯があってざらつく、中肋は白い。下部は長い鞘となって茎を包む。無毛。下方のものに長い毛がある。
寺崎日本植物図譜
ススキ
葉は剛硬質、扁平。縁は粗渋。
 
イネ科→ウシクサ族→ススキ属→ ススキ
長さ 50-80cm 巾0.7-2cm
葉は長い線形で、根生および稈の基部につく、硬く太い中肋がある。
 
イネ科→ウシクサ族→モロコシ属→ セイバンモロコシ
長さ 15-25cm 巾1-2cm
葉は広線形、先は次第に尖り、基部は円く窄み、深い緑色
 
日本帰化植物図鑑 長田武正
セイバンモロコシ
長さ 20-60cm 幅1-2cm無毛葉舌は低く、鞘口には短毛を密生する。
 
考察
 
 いずれの資料を頼っても、小穂が出ないうちは2つの見分けは難しい。
 鞘口の部分を見ると、ススキには長毛があるが、セイバンモロコシにはない。
イメージ 2
イメージ 3
ススキ
 
イメージ 4イメージ 5セイバンモロコシ
 
 葉の中肋の白色はどちらにも見られるので、これは、判定材料にならない。インターネット等一部には、葉の縁のざらつき具合を判定の材料にしているが、実際に確かめて見ると、どちらもざらつくので、判定材料には使えない。
 葉を触ってみているうちに、セイバンモロコシの葉のほうが柔らかそうに感じた。ススキは硬く、ごわごわした感触である。
 以上から考えると、ススキとセイバンモロコシの区別は鞘口の部分の長毛の有無、葉の硬さの違いを見ると分かりそうに見えてきた。
 
 
  記  平成25年8月19日(月)