公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

この植物はメリケンカルカヤと思われる

9月26日()
 
 台風が近づいているせいか、朝から雨が降ったり止んだりと、落ち着かない。この天候では外の観察は出来そうもない。そこで、先日撮影していた資料を基にして考えることにした。
 公園脇のサツキの植え込みに、ススキのような、しかしススキではないものが目立ってきた。この植物は今まで見たことがない。どうやってここに根付いたのであろうか。そして、何よりもこの植物の名前はなんと言うのだろうか。植え込みの中にはススキのほか、ヒメムカシヨモギ、オオマツヨイグサなどが見られる。この植物は9月に入って目に付いてきた。
試料
イメージ 1
ススキに似ている
 
イメージ 2
葉がきわめて細長い
 

観察メモ
 
背丈90cm
葉の長さ40cm 幅 4mm
葉の付け根V字形に折れる
葉鞘の縁に綿毛がある 下の葉ほど長く、顕著
葉に包まれて穂軸が出ている 1本の穂軸は上へ進むと、さらに枝分かれし、新しい葉に包まれた穂軸を出す。穂軸の先の方にススキに似た短い花穂を出す。
葉が細長い。
葉舌は3角形ではなく、縁に毛があるようだ。

 
 何を糸口にしたらよいか迷った。昨年、廃墟のようになった集合住宅の庭で似たのを見たことを思い出した。確かあの時は「メガルカヤ」と名をつけた。そこでもう一度メガルカヤに当たった。
を見ると、どうも同じそうに見える。
 
そこで資料を調べて見た。
 メガルガヤを見ていくと、オガルカヤ、メリケンカルカヤが出てきた。ここで困ったことになった。「この3つの違いはどこにあるのだろうか」という疑問である。
イメージ 3
 
保育社の図鑑をでは、
イネ科→ウシクサ族→
1.小穂は異型・・・・・
 2.総の中軸は肥厚して太く・・・・・
 2.総の中軸は細く、明らかに小穂より巾狭い(ウシクサ亜族) 
  3.登実小穂の第1穂芒類は草質→葉は狭く長い
    オガルガヤ属→オガルカヤ
     葉舌は3角形、長さ2-3mm
    ウシクサ属→メリケンカルカヤ
     葉舌は短く、縁に毛がある
  3.登実小穂の第1穂芒類は革質→花序は稈頂及び葉腋の双方法に出来る→メガルカヤ属→メ    ガルカヤ
     葉舌は長さ1-3mm
日本帰化植物図鑑(長田武正)では
 メリケンカルカヤ 
  高さ50-120cm葉身は長さ3-20cm、葉鞘は背部で2つ折りとなり、上端部だけに白色の長毛を散生葉舌は高さ0.6mm・・・・・。
 
松江の植物では
 葉鞘上部以外は無毛で高さ50100cm、花期は911
 
イメージ 4イメージ 5
           細長い葉                         ススキに似た花
 
イメージ 6イメージ 7
         葉鞘に見られる長毛                  葉舌に見られる長毛
  
考察
 以上からすると、登実小穂の第1穂芒類を見れば、メリケンカルカヤ、オガルカヤとメガルカヤの区別がつく。しかし、そこまで見極めていくのは容易なことではない。現実にいま花が咲いている試料を持っていない。今の段階ではカルカヤの仲間であることしかいえない。
 葉舌を見た。すると、葉舌に違いが見られる。試料は葉舌は3角形ではなく、縁に毛があるようだ。ここが決め手になりそうだ。この植物はメリケンカルカヤになりそうだ。随分長かったが、メリケンカルカヤの名前に到達したようだ。
 保育社の図鑑によると「カルフォルニアからメキシコ、西インドに野生し、日本へは昭和15、6年頃入ったもの」と記述がされている。
 
 
  記  平成25年9月25日()