公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

カモジグサ・イヌムギ・ネズミムギについて

5月17日(金)
 
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 先日、カモジグサとイヌムギの違いについて検討した。2つの違いが分かりかけたと思ったら、カモジグサ、イヌムギ、ネズミムギが同じところに群がって咲いているところに出会い、ここにきて新しい問題が出てきた。カモジグサとネズミムギが似ている。特に、葯が出てきたネズミムギを見ると、びっくりするほどよく似ている。「この違いを確認しなければ」という意識が出てきた。ネズミムギの中にも先端が傾くものがある。「穂が出てくる前の姿でこの3つの区別ができたらなあ・・・」そんなことが頭に浮かんだ。
 
イメージ 2イメージ 3イメージ 4         カモジグサ              イヌムギ               ネズミムギ
   
 先日の観察結果と一緒にして整理してみた。

 
 
カモジグサ
イヌムギ
ネズミムギ
背丈
cm
75 
 90 
 
葉 
長さ cm
18
19
24
 
幅 cm
1.7
0.7
0.9
 
幅の広いところ
基から少しはなれたところ
基が最大
基が最大
 
 
茎につくところは、白みがかる
中肋を先に葉は緩やかなV字形
中肋は葉の半ばほどまで目立つ
中肋を先に葉は強いVj字形
中肋は明確でない
葉は開閉
葉鞘
 
灰緑色 付け根は緑白色
耳はない
緑 付け根は白色
耳がある
緑 付け根は白色
耳がある
 
灰緑色 太い
緑色 細い
緑色 細い
小穂 
 
互生
5節から出る
互生
 
19
2個が一組になっている
20
 
長さ cm
25
25
35
 
幅 mm
 
なし
2個が組み、長いのが3cm
短いのが0.7cm
なし
 
小花の芒
長い 2.5cm
 短い 2mm
短い 5mm
葉舌
 
1-2mm程度 上は平ら
5mm程度 上は三角
1-2mm程度 上は平ら

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                           カモジグサ
 
 
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                               イヌムギ
 
 
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                             ネズミムギ
 考察
 花茎を見ると、カモジグサは灰緑色で他は緑色。ここが1つの観点になりそうだ。葉を見て何か手がかりはないだろうか。葉の一番広いのがカモジグサ。一番広いところが基から少しはなれたところになっている。他は基が一番広い。ここも観点の1つになる。カモジグサとイヌムギは葉の中肋を境にV字形をなす。特にイヌムギはその形が顕著である。ネズミムギの葉は開いて花茎についている。葉舌が明確なのはイヌムギ、先端が三角形をしている。ネズミムギはごくわずかで、先端は平らになっている。カモジグサはほとんど不明な状態になっている。この辺も観点になる。葉の付け根にある耳はカモジグサには見られないので、他の2つとの区別の観点になる。根元の赤みは今回見たカモジグサでは明確ではなかった。もしかしたら今回見たのはアオカモジグサかもしれない。今後の課題になる。
 
 
  記  平成25年5月17日(金)