三ツ池公園「トダシバ、リョウブ、コマツナギ、ベニシダ、ヒヨドリジョウゴ、オオブタクサ」
8月11日(土)
これはトダシバではないだろうか。トダシバと分かるまでいろいろ遠回りをしてきたので、印象深い花である。葉の表面の寝た毛、鞘口の毛、葉鞘の上向きの毛などを見て、トダシバと判断している。小花は2つが対になっており、いくつかの小花から葯が出ているのが分かる。
トダシバ
葉の表面の寝た毛
鞘口の毛
葉鞘の上向きの毛
この先の中の池の畔に1本のリョウブの樹がある。もう花期が終えているので、花はないだろうと思いながら近づくと、1本の花序の先に数輪の花が残っていた。今年は、リョウブの花の真満開時を見ることが出来なかった。
残っていたリョウブの花
中の池と上の池の境へやってきた。先日はここから山側を見ると、ヤマユリの大きな花が見えたが、今日は花の姿はない。更に上の池沿いに進み出すと、コマツナギが見えてきた。この花は先日も見ているが、その時コマツナギについて調べていると、トウコマツナギの名前が出てきて戸惑った。葉や花についてはほとんど違いがないが、背丈と茎の太さに違うことが分かった。これはコマツナギと思うが、茎が直立していないので、高さは計測しにくい。先日は、この花は蝶形なのだが、旗弁、翼弁、竜骨弁をきちんと確認できないままになっていた。今見ると、確かに3種類の花弁が見える。
旗弁、翼弁、竜骨弁が見える
植え込みの前面に一列に植えられているシダがある。先日このシダを見ていたが、その時は名前が分からず後回しにしたままだった。後日見直し、ベニシダと分かってきた。今日はもう1度確認した。中軸、羽軸、中肋を見ると、濃緑色の溝が入っている。最下羽片の下側第1小羽片は小さい。 胞子嚢は中肋寄りになっている。確かにベニシダの特徴を表している。
ベニシダ
ベニシダ:1枚の葉
中軸、羽軸、中肋に見られる濃緑色の溝
胞子嚢は中肋寄りになっている
ベニシダの観察を終え、今日の観察もほぼ終わりに来た。上の池沿いに進むと、ヒヨドリジョウゴの葉が見えた。この葉の形は変わった形をしている。どのような形と表現するか、牧野新日本植物図鑑を開いてみた。すると、「下部のものはふつう2~3に深く裂け、上部のものは分裂せず、卵形で、・・・基部は浅く心臓形となり・・・」と表現されていた。複葉のように見えるが。特別な形の表現が使われていなかった。
もう南門へ近づいている。右側の藪を見ると、オオブタクサの大きな葉が見えた。コリア庭園から入った藪、花の広場に侵入していたが、ここにも侵入したかと思った。オオブタクサは1度侵入すると根絶が難しいという。
オオブタクサ
撮影:7月29日
記 平成30年8月8日(水)