三ツ池公園「ハリガネワラビ、クリ、アカメガシワ、メヤブマオ、ウグイス」
8月10日(金)
このシダも先ほど見たシダに似ている気がする。葉身は1回羽状複葉で、柄、中軸は紫色を帯び、毛状の鱗片が付いている。羽軸にも毛があるようだ。葉の裏を見ると、胞子嚢が小羽片の縁近くに分布している。この特徴から考えると、ハシゴシダの仲間のハシゴシダやハリガネワラビが考えられる。更に、基の方の羽片の形を見ると、中央付近の幅が一番広く、基と先端が狭くなっている。このことから判断すると、ハリガネワラビになる。何度もこれに似たシダを見てきているが、その度ごとに躓いてしまう。
ハリガネワラビ
ハリガネワラビの柄
ハリガネワラビの羽片
ハリガネワラビ:胞子嚢の分布
里の広場へ入り、右の山側にあるエゴノキとクリを見た。エゴノキの果実が目立たなくなっている。野鳥に食べられたのだろうか、樹の下を見ても落ちた形跡がない。エゴノキの果皮にはエゴサポニンが含まれ、石鹸の代わりにしたり、毒性を利用して漁に使ったと聞いている。牧野新日本植物図鑑をみると、「生の果皮をすりつぶし、川に流して、魚を麻痺させてとるのに用いられる」と書かれている。このエゴノキの少し上にクリの樹が1本ある。今年は雌花をよく見ることが出来なかったので、もしかしたら果実は見られないのではと思っていたが、それでも近くに1個だけ見ることが出来た。
ウリの果実
この奥にヤブマオやメヤブマオがある。ヤブマオは先ほど見たので、メヤブマオの写真を撮った。メヤブマオはヤブマオと同様に、上の方の花序が雌性で、下の花序が雄性であるという。しかし、どちらについても雄花を見ることがない。雄花と思われそうなところの写真を撮ったが、これはどちらか不明である。
メヤブマオ
メヤブマオを見ていると、2羽の野鳥が舞い降りてきた。薄い茶色の翼をしているのを見て、ウグイスではないかと思い、動きを追った。止まるのを待っていると、目の前の樹に止まったので、慌てて写真を撮った。確かにウグイスである。春から初夏頃はよく鳴いていたが、人が近くにいることが分かるのか、声を立てないでいる。今年は珍しく。3度写真を撮ることが出来た。
ウグイス
撮影:7月29日
記 平成30年8月8日(水)