公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

新幹線で黒部宇奈月温泉駅へ

1116日(月)
 
  628分東京発ハクタカ551号に乗る。座席に坐るために見の回りの片付けをしていると、列車は動き出していた。音もしないような静かな滑り出しだったので、外の景色が動くのを見るまでは列車が動いたことに気が付かなかった。やはり新幹線は一般の電車とは違っている。上野駅を出てスピードを上げると、揺れを感じるようになった。それでも振動が少ない。家の部屋にいる感覚と同じような感じである。本を読みだすと、頭の中は列車の動きとは無関係になる。ページを捲るとき、一瞬列車の動きが気になる。そのうち列車の動きも忘れ、本の中の人物の動きに頭が没頭していく。しばらく後、再びページを捲るとき、「ああ、ここは新幹線の中だった」と錯覚するほど居心地のいい走り方をしていることに気が付く。
 
 右に浅間山が見えてきた。遠くから見る浅間山は高く、雄大さを感じるが、目の前へくると、不思議にその感じがなくなってしまう。近くに見えるので、身近な山に思えてしまう。まだ、雪をかぶっていないせいもあるかもしれない。列車から見る浅間山は左斜面が大きくえぐられて見える。何時かの噴火の痕だろうか。新幹線はあっという間に群馬県から長野県に入り、上越妙高駅に着いた。
 
 「妙高」といえばスキーを思い出す。雪山は左の遠方に見えるので、「ここに大雪が降るのだろうか」と不思議さを感じる。ここはスキー場とは大分離れた位置にあると思える。また本の続きを読み出した。しばらくすると、右側に海が見えてきた。日本海である。日本海を見るのは何年ぶりだろう。いつも見る海は太平洋側なので、海は太陽方向にあるが、日本海は太陽を背にしてみることになる。何方が東か西か、方向感覚が分からなくなる。「日本海」と聞くと荒海を想像するが、今日の海は見透しがよく、荒れていない。穏やかな青い海がどこまでも続いている。
 
 海沿いに新幹線はスピードを上げていく。時速200kmというと、一流のプロ野球のピッチャーが投げるボールよりずっと速い。その速さで自分が飛んでいるとは想像が出来ない。車内の静かな光景と外の景色の過ぎ去る光景とは対照的である。時の刻みが同じようには見えない。車内はゆっくり進み、外はもの凄い速さで進んでいるような錯覚を感じる。
 
 糸魚川駅に着いた。新潟県はあっという間に過ぎ去り、富山県へ入ろうとしている。次の駅で下車するので、本を読み続けることはやめた。左に雪を被った山々が見える。901分、新幹線は黒部宇奈月温泉駅に着いた。ここまで要した時間は約2時間半であった。新幹線の便利さが分かる。
 
 黒部宇奈月温泉駅で降りた。駅構内は意外と狭く、直ぐに外へ出ることが出来た。周辺は広々としている。新幹線の駅がこれほど小さいとは意外に思えた。駅付近を見ると、後方にまだ駅の広がりが続いていた。どうも向こうが駅の正面のようだった。
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撮影:114


  記  平成271115日(土)