公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

ニワホコリとコスズメガヤの識別

826日(日)
 
 先日ニワホコリらしきものを見つけたが、確信がなかった。それはコスズメガヤとの違いである。小さいコスズメガヤをみると、これもニワホコリかと思えてしまう。何とか区別したい。区別する方法をないものだろうかといろいろ調べてみた。
 
試料
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                       A           B
 
保育社図鑑
 ・小穂、小柄または花序の枝に腺点がある…スズメガヤ、コスズメガ
 ・小穂等の植物体に腺点がない…オオニワホコリ、ニワホコリ
   ・花序の枝の基部に長い腋毛がある…オオニワホコリ
   ・花序の枝の基部は無毛…ニワホコリ
   高さ7-25cm
 
牧野図鑑
 茎は根本から多数出て、下部がやや地について曲がり、その上部は直立する。
 花序の枝は真直ほとんど平開し、非常に細く、波曲している。小穂軸に透明部を有していない。
高さは15-25cm
 
寺崎植物図譜
 基部少し斜上し、…葉鞘の口部は長毛を欠く。枝の基部は無毛…
 高さ8-25cm
 
 保育社図鑑によれば、
 小柄または花序の枝に腺点の有無を見て、スズメガヤ、コスズメガヤのグループとオオニワホコリ、ニワホコリのグループを識別している。この点が大きな手がかりになりそうだ。
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A…腺点がある
 
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 B…腺点がない
 
寺崎植物図譜による
ニワホコリは葉鞘の口部は長毛を欠く。枝の基部は無毛。この点も大きな手がかりになりそうだ。
イメージ 4
A…葉鞘の口部に長毛がある
 
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B…葉鞘の口部に長毛がない
 
 以上の結果から考えると試料Aはコスズメガヤ、試料Bはニワホコリと考えられる。何とか区別できたような気がする。手馴れた人には簡単のようだが、なかなか難しい。ニワホコリをよく見てみると、名前のように、庭の隅のほうにかたまっている。株は大きくないし、背丈も低い。「庭の隅の吹き溜まりにある埃」に譬えると、名をよく表している。
 
 
記  平成24826日(日)