カゼクサ、コスズメガヤの違いを解決
8月24日(金)
「カゼクサ、コスズメガヤの違いが解決できていない」このことが頭から離れなかった。この疑問に答える試料が家の隣に咲いているので、どうしても解決したくてたまらない。いろいろ調べたが、参考文献になるものも、今のところ見当たらない。このまま放って置くと枯れてしまい、絶好の観察のチャンスが過ぎてしまう。自分で出来る限り観察しておかなければと、いつもと同じような点を観察しメモを取った。
根生葉は明確ではない
鞘口の口縁の毛の有無では判定できない
大株とはいえない
小枝、小穂に腺が見られる
再度、今までの文献に当たってみた。
剛壮な植物で大株を作り、根性葉は多数で、長さは30-60cm…カゼクサ、シナダレ
スズメガヤ
細い植物で疎らにそう生、桿の節に生じ、長さは5-15cm
とある。
試料を見ると、大株とはいえない。根生葉は明確ではない。
さらに、カゼクサの特徴 の欄を見ると、桿は立ち、太く…とある。
牧野植物図鑑によると
「大きい株を作る。葉は多数の葉鞘が跨状をなして茎の下部を包むため… 鞘口の 口縁に白色も細い毛を密生する。」…カゼクサ
とある。しかし、コスズメガヤについては記載がない。
オオスズメガヤについてみると、
「茎は5-6本株を作り、下部がわずかに屈曲して直立し…」鞘口には白色のひげ毛が
ある。
寺崎植物図譜によると、
「桿はそう生し、太く、直立し、…」…カゼクサ
「葉は扁平で、まばらに毛を生じ…」…コスズメガヤ
とある。
以上を参考にして、自分のメモと比べると、鞘口の口縁の毛の有無では試料をカゼクサともコスズメガヤとも断定できない。根生葉の様子、葉の出ている位置などから総合的に判断すると、試料は「コスズメガヤ」といえると思う。自分なりにはどうやら解決できたように思う。
参考文献はよく目を通したつもりだが、やはり落としているところがあった。保育社の図鑑について、細かいところをおろそかにしていた。やはり何度も何度も振り返ることが大切であることが分かった。
記 平成24年8月24日(金)