公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

キンシバイとビヨウヤナギの違い

6月18日(月)
 
 あるブログを見ていて、キンシバイ、ビヨウヤナギについて再考してみようという気になった。私自身も単純にキンシバイ、ビヨウヤナギの2種類に分けてすましていたが、この報告を見て、何か頷くものがあった。それは、ビヨウヤナギとしていたもの中に、地面を這いそうな背丈の低いものとそうでないものとがあったことだ。このことを今まで単に「環境の違いで、背丈に違いが出ている」と考えていた。違いがありそうだと思っていたが、本当に違うとは思わなかった。
 そこで、自分なりに調べ直すことにした。早速、浦島公園へ行き、2つのビヨウヤナギを観察した。
 
背丈の低い方
 花は上を向き、平開する。雄しべ、雌しべとも長く、ほぼ同じ長さ。雄しべは直線的に伸びる。がくは円状で幅が広い。葉は水平に対生するが、十字形にちかく交差する場合もある。葉の根元は急に丸まる。
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雄しべは直線的
 
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がくは円状で幅が広い
 
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葉は水平に対生するが、十字形にちかく交差する場合もある
 
背丈の高い方
 花は上を向き、平開から外側へそる。雄しべ、雌しべとも長いが、やや雌しべが長い。雄しべは曲線を描き伸びる。
がくは小さく細長い。葉は十字形にちかく交差する。葉の根元は細くなり、丸まる。
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花は上を向き、平開から外側へそる
 
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がくは小さく細長い
 
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葉は十字形にちかく交差する
 
 上記のことから考えると、2つともビヨウヤナギとしていたことが間違いであることが分かる。2つは確かに違っている。いろいろ調べた結果、背丈の低い方は「キンシバイ」になり、背丈の高い方はビヨウヤナギになる。
 
 背丈の低い方がキンシバイになると、今までキンシバイと考えていたものとは違うキンシバイの出現になる。
そこで、今までキンシバイの特徴を調べた。
 花は横を向きものが多く、平開する。雌しべが長く、雄しべはずっと短い。がくは円状で幅が広い。葉は十字形にちかく交差する場合もある。
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平開し、雌しべが長く、雄しべはずっと短い
 
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がくは円状で幅が広い
 
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十字形にちかく交差する場合もある
 
 この結果、キンシバイに相当するものは、がくが丸みを帯びていて、広いということが分かってきた。また、葉についてみると、葉の根元がいずれも急に丸くなっている。
 ちょっとしたヒントからいろいろなことが分かってきた。ついでに家にあるキンシバイについて調べると、2つのものと少し違っている。葉はほぼ水平で花は横から下を向いている。雄しべ、雌しべともそれほど長くはない。何かもう1つのキンシバイに思える。
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がくが丸みを帯びている
 
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葉の根元がいずれも急に丸くなっている
 
 
  記  平成24年6月18日(月)