草刈と雑草の生命力
5月17日(木)
そろそろ長袖では暑くなり、ややむしばむ陽気になってきた。公園では早くも草刈が始まっている。草刈機を使い一人の人が行っている。人力と違い刈る速度が速い。今年は雑草類をよく観察することがなく、草刈が始まり残念に思う。でも、草刈も完全でないので、名残が残されている。そこからはまだ観察しなかったものを探ることが出来る。
ハクチョウゲが勢いを増している。見るたびに花の数が増えている。1つ1つは小さな花だが、たくさん集まると人の目を引くようになる。「1人の力は弱いが、多くの人が集まれば、重い石も動かすことが出来る」こんなことを教えているように見える。
ハクチョウゲ
ゼニアオイも花数を増やし、美しくなってきた。5枚の花びら1枚1枚に5本の赤紫色の筋模様が入っている。この筋模様は訪れてきた昆虫に蜜のありかを教える道標になっているという。昆虫は匂いと美しい花模様で誘われていくのだろうが、人も惹かれる筋模様だから、昆虫にはどのように映っているのだろうか。
ゼニアオイ
紫色がかり、長いのぎのついたカモジグサを見た。「カモジグサはこんなに剛々しいかったかなあ」と記憶をたどってみた。カモジグサはよく藪の入り口に見る。そのときの姿はもう少しやさしそうに見えた。昔子供たちがかんざしの代わりにして遊んだというが。カモジグサにはアオカモジグサと言うものがある。もしかしたら、子供が遊んだのはアオカモジグサの方かもしれない。
カモジグサ
シャリンバイは赤、白ともよく咲き出した。ただ、刈り込みが強すぎたのか、昨年よりも花のつきがよくない気がする。特に赤い方がよくない。
シャリンバイ白 シャリンバイ赤
今年は刈り込みが早く、公園の雑草をよく観察しそこなった。急激に暖かくなり、植物も急激に成長し、皆大きくなった。急激な変化に人も気づき、「早く刈らなければ…」という思いに掻き立てられたのであろう。じっくり腰を落ち着け、植物と対話をしながら、刈る時期を考えるのも一つに方法と思う。刈られた植物、雑草類は、すぐに新たな生命の芽吹きをすると思う。彼らの命を見守りたい。
記 平成24年5月16日(水)