公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

これはニワホコリなのだろうか

8月4日(木)
 
これはニワホコリなのだろうか
イメージ 3
 
イメージ 4
 駐車場のニワワホコリがグーと伸びてきた。「あれ、これニワホコリでいいのか?」と疑問がわいてきた。ニワホコリはこんなには大きくはならないはず、もしかしたらカゼクサかもしれない。でも、カゼクサにしては出てくるのが早すぎる。もう1度検証する必要がある。そこで、実物をよく観察して、ポイントを整理してみました。
 
 穂に至るまでに3つの節がある。根から出た約6cmの第1の節で大きく曲がり立ち上がる。さらに7.5cm上の第2の節でも少し曲がり真すぐに立つ。第3の節からは小穂の枝が斜めに立ち上がる。
イメージ 5
 
 中軸からの小枝は、第1段目から1本、第2段目から2本、第3段目から1本、第4段目から2本、第5段目から第14目までが1本、第15段目2本、16段目から1本、17段目から2本、181920段目から1本、そして頂点となる。
イメージ 6
 最初の小枝をつける第3節目までは各節に1枚の葉をつける。葉の幅は6mmぐらいで先へ行くにつれ細くなり、先は尖っている。長さは9cmぐらい。鞘口には12mmの毛があり、茎を囲む。葉鞘付近の葉の表面にもわずかに12mmの毛がある。
イメージ 1イメージ 2
          節が3つ                        鞘口・葉鞘付近の葉の毛
 
小枝には810本の小穂の枝が互生する。小穂には56の小花がつく。小穂1つは2mmぐらい。花序の長さは15cmぐらい。
 
 以上のことを基にして各文献を調べてみました。
長田、牧野、寺崎さんの図鑑では、ともにニワホコリの葉鞘の口には毛がないとなっている。実物には毛があるということからニワホコリではないという結果が出てきた。
 では、何なのか、似ているものを探してみた。「オオニワホコリ、コスズメガヤ」が出てきました。
オオニワホコリ、コスズメガヤとも葉鞘の口には毛がある。違う点はどこか探してみる。
牧野さんによるとオオニワホコリには花序の分岐点にも長い腋毛を出すとある。これには分岐点の長い腋毛はない。するとオオニワホコリでもなくなる。残されたコスズメガヤになってくる。本当にこれでいいのだろうか。
杉本さんの図鑑では、「小穂の柄のふくらんだ節状物と葉鞘、葉裏、小穂などの腺点」に目をつけ、節状物や腺点があれば、コスズメガヤにしている。「節状物や腺点」がどういうものかよくわからない。従って、その存在を知ることが出来ないでいる。肉眼では不明だが、ルーペを使って見ると何か小穂には節状物があるような気がしないでもない。
  
  記  平成23年8月4日(木)