公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

ススキとセイバンモロコシの識別

627日(月)
 
 第二国道を歩いていると、JRの土手にセイバンモロコシが咲いていた。そろそろ咲くだろうとは思っていましたが、いざ見ると、よく見たくなるものである。花が咲くとセイバンモロコシと分かりますが、花が咲く前はススキと思っていました。明確な識別が出来ていなかった証拠です。改めて「不勉強だ」と思い知らされました。
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           ススキ                           セイバンモロコシ
 
 葉を見て、中央の葉脈が白色になっていればススキと決め付けていました。セイバンモロコシの葉を見ると、中央の葉脈が白色になっているではないか。ススキとまったく同じではないか。よく見ていなかったことを知らされました。
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           ススキ                           セイバンモロコシ
 
そこで、調べました。
 
ススキ
 イネ科→ウシクサ族→ススキ属→ススキ
セイバンモロコシ
 イネ科→ウシクサ族→モロコシ属→セイバンモロコシ
 
◎どちらもウシクサ族に入っている。ススキ属とモロコシ属はどこが違うか。
 
保育社原色日本植物図鑑によれば
 小穂の型に目を向けている。
  小穂はみな同型か小穂は異型かで識別している。
   同型 →ススキ属
   異型 →モロコシ属
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           ススキ                           セイバンモロコシ
 
 この手だと小穂が出てこないうちは識別できない。小穂が出れば、花の全体の形で識別は出来る。
 
◎花(小穂)が咲く前の識別方法はないだろうか
 
本草木植物総検索誌 杉本順一
 花序は通常抽出し、苞鞘が発達しない → ススキ属
 茎は分岐し、花序まで苞鞘が発達する → ウシクサ属
 
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                             ススキ        
 
 ウシクサ属は茎が分岐している。セイバンモロコシについて実際に調べて見ると、確かに分岐しているものがある。ひとつの発見であった。
 
◎茎の分岐、苞鞘も花が近くでないと、その様子は知ることが出来ない。
 
 他に手はないだろうか。
 
牧野植物図鑑
 ススキ  
   茎 円柱形、緑色、無毛 
   葉 縁に細歯があってざらつき 下部は長い鞘となって茎を包む
 
 他の人のも参考にすると、葉のざらつきで識別ができるらしい。
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           ススキ                           セイバンモロコシ
 
 実際に確かめてみると、どちらもざらついているように感じる。茎の部分へ近づくとセイバンモロコシの方のざらつきが弱く感じる程度で、識別は困難と思った。
 
長田帰化植物図鑑
 セウバンモロコシ
   葉舌は低く、裂けて長毛が並ぶ
   鞘口には短毛を密生する
   葉の縁はススキのようにざらつかない

 
 
ブログ 草木365日さんに
 「枯葉を見ると、Vの字に二つ折れのセイバンモロコシに対し、ススキのそれは管状に丸くカールしていました。さらに、セイバンモロコシの葉は硬いと思ったのに、二つを比べるとススキの方がより丈夫な作りでした
と書かれていました。後半の方は確かめることが出来ました。
 
触った感覚でしか識別出来ないのでしょうか。心もとないことです。
 
牧野図鑑に「葉の下部は長い葉鞘となって茎を包み、下部のものに長い毛がある」と書かれていた。
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           ススキ                           セイバンモロコシ
 
確かに確認が出来る。
 
以上からすると、触ったときのやわらかさ、下の鞘の毛の有無で調べ、葉のざらつき、葉舌等とこまめに見ていくのがいいのかと思いました。花をつける前の同定はかなり困難ですね。
 
記  平成23年6月27日(月)