自然生態園「ヤクシソウ、ノコンギク、カラスウリ、サンショウ、サルトリイバラ、」
11月16日(金)
保健活動推進委員会主催のウォーキングの後、自然生態園へ寄ったので、大分遅くなって仕舞まったが、記事を書き留めておくことにした。
自然生態園へ入ったのは午後3時ごろになっていたので、園内は薄暗くなっていた。それでも時折何人かが訪れて来た。
入り口に入ると、右側に黄色い花が見えてきた。葉の基が広い翼になり、茎を抱いている葉の形からヤクシソウと分かった。ヤクシソウの頭花は舌状花のみからなり、数が多い。この頭花には13個ぐらいの舌状花があった。この花とよく似ているものにコウゾリナやヤマニガナである。コウゾリナは茎に剛毛があり、ヤマニガナは葉が茎を抱かないので、何とか区別がつく。
ヤクシソウ
ヤクシソウの花
池の縁を見ると、淡青紫色の花が見えた。葉を触るとざらざらしている。これはノコンギクと思った。ユウガギク、シラヤマギク、シロヨメナと幾つかのノギクを見て来たが、このノコンギクを見る機会がなかった。9月頃からノギクを見ては、ノコンギクかと葉や冠毛を見て来たが、いずれも違っていた。この花の舌状花、筒状花には冠毛があった。
水田へ向かう角へ来ると、赤い果実が釣り下っている光景が見えてきた。これはカラスウリになる。よく見かけるカラスウリの果実は楕円形だが、この果実は遠くから見ると、球形に近く見えた。以前、自然観察の森で、カラスウリの若い果実を目にした時、小さなスイカの姿をしており、これは何の果実だろうかと思ったことが思い出される。果実の中の1つを選んで、アップ写真を撮ると、球形に見えたものが楕円形に見えてきた。同じカラスウリの果実でも、いろいろな形があることが分かって来た。
カラスウリの果実
右側の山沿いを進むと、奇数羽状複葉の葉をつけた小枝が見えた。この樹はサンショウではないかと思ったが、自信はなかった。サンショウの葉は、揉むと独特なにおいがするので、実際に葉を揉んでみた。すると、あの独特なにおいがしてきた。このにおいからこの樹がサンショウであると分かった。サンショウの枝には棘があるので、確認すると、見つかった。
サンショウ
サンショウの棘
直ぐ傍に丈夫そうな蔓から円形の葉が出ていた。よく見かけるものだが、いざというと、名前が出てこなかった。そのうちサルトリイバラと分かった。面白い名前なので、調べてみると、牧野新日本植物図鑑では、「棘があってサルがひっかかる」意味であると説明していた。昔、この蔓を切ろうとしても切れなかったことが思い出される。近くに赤い果実があった。
サルトリイバラ
サルトリイバラの果実
・最下羽片はやや下向きにつく
・最下羽片の下側第1小羽片は小さい
・胞子嚢は中肋と辺縁の中間かやや中肋寄りにつき
ベニシダの最下羽片
ベニシダの胞子嚢の分布
シロヨメナのところへやって来た。昨年は、花が沢山咲いているところを見られなかったが、今日は花が沢山咲いている。頭花はシラヤマギクによく似ている。シラヤマギクの頭花は舌状花が欠けているところがあるので、区別が出来そうだが、シロヨメナも花の終わりごろになると、舌状花が欠け出すので、見分けるのが難しい。シロヨメナの葉は細長く、表面に艶がある。
シロヨメナ
シロヨメナの葉
作業場から水田へ下りると、畦道にユウガギクが見える。もう花は終わってしまったのではと思ったが、まだ花は残っていた。ノギクノ中で、早く咲き、早く終わると思っていたが、ユウガギクの花期は意外と長いことに気が付いた。先程のシロヨメナより、頭花はやや大きく、筒状花の色が濃いようだ。
ユウガギク
久しぶりに訪れた自然生態園だが、シロヨメナが沢山咲いている光景が見られ、収穫があった。ウォーキングの後だったので、時間もだいぶ遅くなり、薄暗くなってきた。
自然生態園を出たところの湿地に、サクラタデとシロバナサクラタデがある。先日来たとは、シロバナサクラタデが咲いていたが、サクラタデは咲いていなかった(資料)。今日はどうなっているかと、寄ってみた。すると、今度は反対で、サクラタデだけ咲いていた。ここは暗く、撮影が難しい。何枚か撮影し、鮮明でないが、花が分かりそうなのが撮影できた。
サクラタデ
撮影:11月3日
記 平成30年11月14日(水)