公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

みなとみらい地区の街路樹「サクラの冬芽(ヨウコウ、エドヒガン、ベニヤマザクラ、イチヨウ、シロタエ、ウコン、ケンロクエンキクザクラ、フゲンゾウ)」

1023日(火)
 
 ケヤキ通りに出て、駅の方へ進むと、いろいろなサクラの樹が植えられている通りへ出てくる。昨年、この場所に気づき、機会があったら見に来ることにしている。
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 サクラ並木

ヨウコウ
 このサクラは赤みを帯びた花を咲かせる。昨年、ヨウコウについて調べたことがあったので、振り返ってみた。
 下記の資料では、「ヨウコウは、オオシマザクラを母種にエドヒガンザクラを父種にして誕生した品種の天城吉野(アマギヨシノ)と寒緋桜(カンヒザクラ)との交配によって作り出された。そのためか、開花直前の冬芽がソメイヨシノの冬芽にも似ていた」と書いていた。この冬芽は、先の方に毛が見られるが、ソメイヨシノほどの毛はない。
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エドヒガン
 ぜひ見たい冬芽だが、小さい上に、高いところにあるので、ここからは詳細を知ることが出来ない。そこで、以前の資料を見直した。資料1、資料2とも三ツ池公園で見たものだが、資料1は側芽で、資料2は頂芽である。多少形が違うが、芽鱗の表面に毛がある点は共通している。今日の写真でも、芽鱗に毛がありそうなところは分かるようだ。エドヒガンはソメイヨシノの片親とは知っていたが、母種か、父種かのどちらかは知らなかったので、調べると、資料3で「ソメイヨシノのDNAの解析結果では、母親はエドヒガン、父親がオオシマザクラ系?のようです」との記述があった。
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 ベニヤマザクラの花は見たことがあるが、冬芽はまだ見ていない気がしていた。そこで、過去の資料を調べていくと、ベニヤマザクラの別名はオオヤマザクラであったことが分かった。オオヤマザクラを調べていた時は、これがベニヤマザクラの別名とは意識していなかった。オオヤマザクラの冬芽なら、下記の資料で見ており、「赤褐色の芽鱗に艶があり、綺麗である」と書いていた。この写真は焦点があっていないが、芽鱗に艶がある面影は伺える。
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イチヨウ
 この冬芽も高いところにあり、詳細が分かり難い。一葉の冬芽は三ツ池公園で見ているので、見直してみた。花は八重の大柄であった。下記の資料では、「冬芽に毛がなく、オオシマザクラ系であるようだ」と書いていた。この写真は焦点が合っていないが、オオシマザクラ系には見える。
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シロタエ
 この花は白色の大きな八重の花で、オオシマザクラ系と分かる。冬芽は、丸みを帯びた楕円形で、形はオオシマザクラの冬芽に似ている。
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カンザン
 この冬芽は下の方にあったので、鮮明な写真になった。冬芽は濃褐色で、芽鱗の表面には僅かに毛が見られる。カンザンは近くの公園にもあり、ソメイヨシノの花が終わってから八重の花を咲かせる。
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ウコン
 このサクラは、ギョイコウととともにサクラの中では黄緑色の花を咲かせる特異的な存在である。最初は黄緑色の花も末期には他のザクラのようにピンク色に変わってくる。冬芽の芽鱗には毛がなく、オオシマザクラ系かヤマザクラ系になるようだ。下記の資料を見ると、「稀少な存在で、日本国内に在植するウコン桜は全部で27本しか、その存在を確認されておりません」とあった。事実なのだろうか。
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ケンロクエンキクザクラ
 花弁の数が極端に多いサクラの仲間の1つである。キクザクラという名前がつくサクラは花弁が100枚から~300枚と極端に多い。このようになるのには、2つ目、3つ目の花が一緒にならなくては出来ないという。冬芽の芽鱗は褐色で、毛がないようだ。オオシマザクラ系かヤマザクラ系になると思われる。
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フゲンゾウ
 フゲンゾウは普賢象と書き、雌しべの内2本が葉化する珍しいサクラである。冬芽は褐色で、細長い形をしている。この冬芽の芽鱗には毛がない。やはり、オオシマザクラ系かヤマザクラ系になると思われる。
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撮影:1017

  記  平成301020日(土)