舞岡公園「ヤブソテツ、キツリフネとツリフネソウ」
9月28日(金)
これはヤブソテツの仲間であるが、先程のヤブソテとは違い、小羽片の数が少なく、11対になっている。下記の資料1を利用して調べると、「側羽片の幅と数」から見ると、オニヤブソテツ、ヤマヤブソテツ、ツクシヤブソテツの3つに絞られる。「側羽片先端の辺縁」を見ると、試料はほぼ全縁である。すると、ヤブソテツが該当せず、オニヤブソテツ、ツクシヤブソテツの2つに絞られる。「側羽片基部」に耳がないことは2つに共通している。基部の形が問題になるが、円形に入るのか、くさび形になるのかは判断が難しい。胞子嚢はほぼ全域に分布しているが、辺縁の傾向がある側羽片も見られる。いろいろ考えていくと、消去したヤブソテツが復活してきて、ヤブソテツをさらに細分することは難しくなってきた。今後の課題にしておきたい。
試料
耳片がはっきりしない
柄の鱗片
胞子嚢の分布
藪の右側を見ると、変わった同じような葉が一面に見えてきた。「この葉は何の葉なのだろうか・・・」と考えていると、黄色い花が葉陰に見えてきた。見ると、キツリフネの花である。「これがキツリフネの葉なのかぁ」と改めて見直した。ツリフネソウの大きくなった葉は見ていたが、小さな葉は見ていなかった。まして、キツリフネになると、間近で見ることはなかった。
下記の資料では、ツリフネソウと、キツリフネの違いが細かく説明されており、興味を引いた。要点を列記すると、
1.距の形 キツリフネは渦を巻かずに単に下方に垂れ下がるだけです。
2.花序 両者とも葉腋から出ますが、ツリフネソウが斜上して葉の上で花を付けるのに対して、キツリフネは下垂し葉の下に花があります。
4.葉の形 ツリフネソウは先がとがった菱状楕円形で細かく鋭い鋸歯があるのに対して、キツリフネは長楕円形で先はツリフネソウのようにはとがらず、粗い鋸歯がある。
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このようになる。
以前撮影した写真をもとに、確認すると、資料の通り、4点が確認できた。
ツリフネソウ:距が渦を巻いている(舞岡公園)
キツリフネ:距が垂れ下がっている(四季の森公園)
ツリフネソウ:花が斜上(三ツ池公園)
キツリフネ:花が垂れ下がっている(四季の森公園)
ツリフネソウの花(四季の森公園)
キツリフネの花(舞岡公園)
キツリフネの葉:先とがらず、粗い鋸歯がある(舞岡公園)
ツリフネソウの葉:先が尖り、細かく鋭い鋸歯がある(舞岡公園)
撮影:9月18日他
記 平成30年9月22日(土)