三ツ池公園「カゼクサ、ブタクサ、ホオノキ、ベニシダ、ハリガネワラビ」
9月10日(月)
キツネノマゴに混じってカゼクサが見えた。先日、自然生態園でも咲き始めたのを見て来た。ここでは、咲き始めのように見えたが、この先へ進むと、もうかなり咲いている風景を見ることになる。カゼクサの咲く光景を見ると、秋が大分進んできたことを感じる。
カゼクサ
奥:ブタクサ 手前:カゼクサ
広場から園道へ出ると、大きなホオノキがある。今は果実が赤くなっているはずである。この果実を見るために奥の広場へ入った。果実はちょうど太陽の向きにあり見難かったが、赤くなっているのが確認できた。
ホオノキ
ここから坂を下りパークセンターへ向かい始めた。この坂の左側の崖に、毎年オニドコロの雌花を見ているので、探しながら歩いていると、オニドコロの雌花は見つからず、その代わり先ほど見て来たベニシダなどのシダが見えてきた。ベニシダは直ぐに分かったが、あとの2つは未だ即答できない。
3種類のシダ
ベニシダ
ベニシダの胞子嚢の分布
このシダはよく見かけるが、名前が分からない。羽片が細く、基の方は対生であるが上の方は互生で、間隔があいている。更に、下の方の羽片は中央付近が広く両端は狭くなっている。このようなシダを初めてみたのは三ツ池公園で、6月26日のことであった。それ以後度々見ているが、はっきりした名前がまだ分からない。当初はハシゴシダに行き当たり、とりあえずハシゴシダと命名していた。その後、資料1:を見つけ、ハシゴシダの仲間に、コハシゴシダ、ハシゴシダ、ヤワラシダ、ハリガネワラビの4つがあることを知った。更に、その中で、羽片の両端が狭くなるのはヤワラシダ、ハリガネワラビの2つと分かってきた。更に、資料1では、ヤワラシダとハリガネワラビの違いについては、下記のように指摘されていた。
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ヤワラシダ
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ハリガネワラビ
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羽片基部
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最下羽片はハの字形に下がる
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包膜と胞子嚢群
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包膜は円形
胞子嚢群は中間につく
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包膜は円腎形
胞子嚢群は辺縁寄りにつく
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側脈の流れと到達点
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単条~二又で
先端は葉縁に到達しない
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単条で
先端は葉縁に到達する
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今までの資料を見直すと、最下羽片の形は殆どがハの字形に下がっており、胞子嚢の分布H中肋と辺縁の中間から 辺縁寄りに分布していた。
ハリガネワラビ
このシダについてみると、最下羽片はハの字形に下がっており、胞子嚢は中肋と辺縁の中間から辺縁寄りに分布している。更に、牧野新日本植物図鑑をみると、「ハリガネワラビは中軸、羽軸とともに毛が多い。ヤワラシダの葉柄は無毛で淡緑色であるが、下部は褐色を帯びる。」とある。このシダの葉柄、中軸は紫色を帯び、毛が沢山ある。羽軸は緑色だが、やはり毛がある。以上の事実から判断すると、このシダはハリガネワラビになりそうだ。
ハリガネワラビ
最下羽片はハの字形に下がる
柄は紫色がかり、毛がある
中軸と羽片の表面
胞子嚢の分布
撮影9月6日
記 平成30年9月8日(土)