公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

三ツ池公園「イヌワラビ、ベニシダ、ミドリヒメワラビ、キツネノマゴ、イヌトウバナ」

98日(土)
 
 シダを調べ始めてから、いろいろな場所へ行くと、シダへ目が行くようになった。冒険の森と丘の上広場へ通じる坂を上り始めよとした時、上り口にシダがあることに気が付いた。これはイヌワラビになるのだろうか。イヌワラビは、最下部羽片基部の下側第1小羽片が欠落することが多いというが、このシダを見ると、小さいが欠落してはいない。羽軸や中軸は紫色を帯びているというが、こちらも明確ではない。しかし、胞子嚢は八の字型に分布しており、イヌワラビの特徴を示している。
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イヌワラビ

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最下部羽片基部の下側第1小羽片が残っている

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胞子嚢の分布
 
 こちらはベニシダになる。こちらは何遍も見てきているので間違いないと思う。最下羽片はやや下向きにつき、柄の下には線状の鱗片が付いている。胞子嚢は中肋寄りに分布している。更に、ベニシダの特徴と思える小羽片の中肋には濃紺の溝が見られる。
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ベニシダ

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最下羽片はやや下向き

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柄の鱗片

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胞子嚢は注肋寄りに分布している
 
 もう1つのシダが見えた。このシダもよく見かけ、何度も見て来た。このシダは2回羽状複葉出て大きなシダである。羽片は薄く柔らかく、羽軸には翼がある。小羽片には短い柄が見られ、胞子嚢は円形で、中肋と縁との中間にある。平面状に見える小羽片は互生で、間隔があいているように見える。このシダはミドリヒメワラビになるようだ。
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ミドリヒメワラビ

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小羽片は互生で、平面状に見える

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 胞子嚢は円形で、中肋と縁との中間にある

 キツネノマゴが見えてきた。今、彼方此方に沢山見える。ここにも群生している。花は紫色で小さい。唇形花で、上唇は先が浅く2つに割れ、下唇は3つに割れている。2本の雄しべが上唇に張り付くように伸びているのが分かる。
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キツネノマゴ

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 キツネノマゴの花
 
 坂を上っていくと白色の小さな花が見えてきた。唇形花の花で、先程のキツネマゴと同じように上唇が浅く2に割れ、下唇が3つの割れている。この姿からイヌトウバナと分かった。この花の中はどうなっているのか、この花を見るたびに興味があった。しかし、肉眼では分からないので、接写写真を撮ってみているが、何時も鮮明な写真が撮れなかった。この写真はぼやっとした写真だが、上唇に張り付くように濃紫色の斑点を挟み、両側に1対の白色の塊が見える。この白色の塊が雄しべになりそうな気がするので、下唇を外してみた。すると、雄しべらしきものが見えてきた。これが雄しべなのか知ろうと、いろいろ調べてみたが、牧野新日本植物図鑑にはイヌトウバナ自体が掲載されていなかった。他の資料を見たが、イヌトウバナの雄しべについて記述されたものは見つからず、やっと下記の資料が1点見つかった。下記の資料では、「雄しべは2本見えている」と触れられていた。
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イヌトウバナ

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イヌトウバナの小花
 
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これは雄しべ?

撮影:96

  記  平成3096日(木)