公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

自然生態園園「メハジキ、ゲンノショウコ、イヌトウバナ、ヒヨドリバナ、タカサブロウ」

93日(月)
 
 作業場のベンチで休憩をとった。目の前の水田や後背地の崖などを見ていると、数人が花を見にやって来た。「これがキツネノマゴだよ」などと植物名を話しながら過ぎ去っていた。1組の親子連れも現れた。子供はメモ用紙を持っている。夏休みの宿題をしているように思えた。
 ここへ入る時、掲示板にメハジキが咲いている写真を見ていた。メハジキはこのベンチの前にあるのを知っていたので、目をメハジキへ向けた。ちょっと見たところ花は分からなかったので、近づいて行った。すると確かに咲いていた。キクの葉のように深く裂けた大きな葉の付け根にいくつかの花が輪生していた。葉が大きく、多いので、花が隠されていたことが分かった。
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メハジキ

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 メハジキの花

 メハジキの根元を見ると、白色の小さな花が見えた。先日同じような花を舞岡公園で見て来たので、ゲンノショウコと分かった。ここでは掌状の葉が確認できた。雄しべが8本見える。本当は何本なのか調べると、下記の資料では10本とあった。いつもは花を上から見ているが、今日は横からの写真を撮ってみた。すると、花柄から萼にかけ開出毛が沢山あることに気が付いた。
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 ゲンノショウコの花柄と萼

 再びベンチへ戻ろうとしたところベンチの脇に白色の小さな花が見えた。今見えるのはイヌトウバナかと思い確認した。葉腋から出たいくつかの花は輪生しており、葉、茎と全体に開出毛が多く目立つ。唇形花で、上唇は上を向き、中央が浅くくびれ、縁は丸みを帯びている。下唇は3つに分かれ、中央が一番大きく、舌のように伸びている。花弁の内側に毛があるようだ。葉は細長いひし形で、表裏全体に毛が見られる。特に葉脈上には多い。更に、葉の裏には腺点があり、その凸が表面からも分かる。
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イヌトウバナ

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イヌトウバナの花

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イヌトウバナの葉の表

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イヌトウバナの葉の裏
 
 畦道へ降りて進むとヒヨドリバナが見えた。ヒヨドリバナは頭状花で、1つの頭状花はいくつかの小花からできている。1つの小花は、上から見ると、花弁の先が5つに分かれた円筒花で、中から出ている2本の紐のようなものが雌しべになり、雄しべは雌しべの根元にあるというので、外からは見えない。
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 以前、タカサブロウを畦道で見ていたので、探していると、田の脇に見つかった。花が小さく、一見衰え始めているヒメジョオンに似ている。タカサブロウの名前は人の名前のように思えるので、語源を調べてみた。牧野新日本植物図鑑を見ると、語源は不明と書かれており、手がかりがなかった。そこで、インターネットで検索すると、下記資料では、「昔、筆や墨が買えなかった貧しい高三郎という人物が、この草の茎を使って紙に文字を書いたという逸話から来ている」ことが紹介されていた。その他にも参考になることが記載されていた。
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タカサブロウ

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タカサブロウの花

撮影:826

  記 平成3091日(土)