公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

自然生態園[ヒメワラビ、アブラガヤ、ホシダ]

92日(日)
 
 水路の脇にシダが見えた。見ると先ほど見てきたミドリヒメワラビのように思えた。これに似たシダはいろいろあるようで、なかなか名前が分からない。ミドリヒメワラビの特徴は小羽片に短い柄がある。そこで、小羽片をよく見た。小羽片の柄は中軸近くのものにはありそうに見えるが、殆ど不明である。最下位の小羽片を見ると、極端に小さい。ミドリヒメワラビに似たもので、小羽片に柄がないものとして、ヒメワラビがある。そこで、ヒメワラビを当たってみた。資料1、資料2では最下位の小羽片の大きさについては触れていないが、写真を見ると、小羽片が小さく写っている。小羽片の見られる翼、中軸の鱗片、胞子嚢の分布などはよく似ている。恐らくヒメワラビになるのではないだろうか。
イメージ 1
ヒメワラビ

イメージ 2
 小羽片には翼があるが、柄は不明

イメージ 3
 柄の鱗片

イメージ 4
 胞子嚢の分布
 
 先程間違えたアブラガヤが見えた。遠くからの姿は似ているが、こちらは花だが枝の頂部に大きな穂の塊となってついているので、明らかに違うことが分かる。また、茎も三角形ではなく、丸みを帯びているようだ。牧野新日本植物図鑑には鈍3稜形と書かれている。小花の詳細はここからは未だよく分からない。
イメージ 5
アブラガヤ

イメージ 6
 アブラガヤの穂

 またややこしいシダが出てきた。このシダは今日初めて見るシダのようである。先程のヒメワラビとは明らかに違うようだ。葉身は1回羽状複葉で、羽片の切れ込みが羽軸までの距離の中間ぐらいである。そのため中軸を挟み、平らな部分があるように見える。最下羽片を見ると、V字型になり、下方へ向いている。この姿から思いつくのはホシダである。先日ホシダの特徴を整理した下記の資料を見ながらポイントを確認した。見たところみな該当しているようだった。このシダはホシダになるようだ。ホシダは何遍も見ているが、穂が長いというのが一番の特徴のようだが、このシダも確かに穂が長いが、この長さだけではホシダと決めがたい。
イメージ 7
 ホシダ

イメージ 8
 最下羽片

イメージ 9
中軸と羽片の表面

イメージ 10
 胞子の分布 羽片の基部の上向きの裂片は長い

イメージ 11
柄の鱗片
 
 畦道にいろいろな草花があると思ったが、何も見るものがなく残念だった。そのまま奥へ進むと、作業場がある。ここにはベンチがあり、休憩が出来るようになっている。後ろは山で、前は水田になっている。狭いところだが、田園風景の趣を味わうことは出来る。平面と矩形な建物の街中の風景と違い、ここでは直線、曲線が入り混じった豊かな風景を目にすることが出来る。このような景色をたまに見ると、心身が癒される思いがする。

撮影:826

  記  平成30830日(木)