自然生態園「ヤブソテツ、ゼンマイ、ヌスビトハギ、キンミズヒキ、ヤブラン、メドハギ、サンカクイ、ミソハギ」
9月1日(土)
水路沿いにヤブソテツらしきシダが見えた。今まで見て来たヤブソテツは葉が束生しているようには見えなかったが、この姿からは束生しているのがはっきり分かる。小葉の数も多いので、数えてみた。小葉は17対あった。大きさを測定すると、柄が20cm、葉身が55cmであって。ヤブソテツは葉身の方が明らかに長い。四季の森で調べた時も柄が30cm、葉身が70cmと圧倒的に葉身の方が長かった。またその時の羽片は18対あった。下記の資料によると、ヤブソテツの仲間の中で、ヤブソテだけが羽片の数が多く、20対前後となっている。羽片の中肋が青紫色で目立ち、短い柄を通し中軸へとつながっている。羽片の基部は丸く、端は波を打っている。側羽片先端の辺縁は浅い鋸歯がわずかにみられる。胞子嚢は円形で、羽片裏面の全体に広がっている。
ヤブソテツ
羽片と羽軸の鱗片
胞子嚢の分布と浅い鋸歯
柄の鱗片:先が尖った鱗片がある
大きなゼンマイが見えた。ゼンマイはこんなに大きくなるのだろうか。牧野新日本植物図鑑によると、「60cm~1mに達する」とある。せせらぎの向こうの土手にあるので、こちら側からは詳細は知りにくい。葉身は2回羽状複葉に見える。羽片はハゼノキの葉を思わせる。
ゼンマイ
シダを見ながらせせらぎ沿いに進んでくると、漸く自然生態園の入口が見えてきた。この手前の湿地にシロバナサクラタデがあるので、花を探したが、見つからなかった。諦めて自然生態園へ向かった。人の気配が見えないので、今日は余り訪れていないように思えた。左側に池と湿地があるが、太陽の日が照り付けるので、暑苦しく感じる。道の脇に目をやると、ヌスビトハギが今が盛りと沢山の花をつけていた。1つ1つ花が小さいので、沢山あっても、人を引き付ける魅力には乏しい。しかし、小花を見ると、蝶形花が綺麗に映る。旗弁は大きく、白色気味で、翼弁、竜骨弁を覆うようにしている。翼弁は開いているが、竜骨弁はまだ閉じているようだ。
ヌスビトハギ
ヌスビトハギの小花
水田への入口へ来ると、キンミズヒキが現れ出した。黄色い花が沢山見える。ここは規模が小さいので、舞岡公園ほどの迫力がないが、季節の黄色い花は綺麗に映る。
キンミズヒキの花
湿地側の草陰にヤブランが見えた。花柄が長く伸び、紫色の小花が沢山ついている。写真を撮ってみると、まだ蕾が多いように見える。
ヤブランの小花
ヤブランの隣に白っぽい花がぽつんと見えた。3出葉の小さな葉をつけた枝が長く伸び、そのところどころに花が見える。メドハギである。花が見えるといっても数個である。これに似たものにハイメドハギがある。こちらは枝が立ち上がらず、名前の通り、地面を這うように、横へ広がる。
メドハギ
メドハギの小花
沼にアブラガヤのようなものが見えた。アブラガヤは先日舞岡公園で見てきている。近づくとアブラガヤとはどことなく違っていた。茎が三角形をしている。これはサンカクイになる。サンカクイを見るのも久し振りである。
サンカクイ
サンカクイの花
ミソハギの小花
撮影:8月26日
記 平成30年8月30日(木)