公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

三ツ池公園「ヤブマオ、キンミズヒキ、ハシゴシダ、ゼンマイ」

89日(木)

 コリア庭園からムラサキシキブのある藪へ入っていった。すると、足元にヤブマオが見えてきた。今年もヤブマオの雄花を求めて何度も確認したが、到頭見つけられなかった。下記の資料では、「ヤブマオの雄花は滅多に見つからないような気がしてきた」と思うほどになった。今、目の前に見えるヤブマオの花も全てが雌花になる。
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 ヤブマオ

 この坂を上り切ったところにオオブタクサがある。626日に観察したときは。オオブタクサがまだ小さく、キクイモなどが混ざっているのではと疑ったが、今日見ると、キクイモなどはなく、すべてがオオブタクサであることが分かってきた。ここを通り過ぎるとオカトラノオの群生地になるが、今は花期を終えている。その先を見ると、黄色い花が目に入ってきた。「これはキンミズヒキではないか」と思った。まだ咲き始めである。奇数羽状複葉で、小さいうちはナワシロイチゴの葉によく似ている。茎が横に這わないところを見て、キンミズヒキではないかと判断している。背丈が伸び、葉が大きくなると、小葉が不揃いになっているので、キンミズヒキと分かってくる。全体に毛が多く、茎の毛は開出している。花弁は5枚で、縁は波を打ち縮れている。雄しべや雌しべはよじれており、本数は確認しにくい。
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 下の池沿いの園道へ出てきた。プールから賑やかな声が聞こえてくる。ここの道はカンザンやオオシマザクラの並木道になっている。今は沢山の葉で覆われているので、2つの区別は名札を見なければ分からない。茶店の前を通り、里の広場を目指した。右側の崖を見ながら進んで行くと、見覚えのありそうなシダが見えてきた。葉身は1回羽状複葉で、羽片の幅が狭い。羽片の最下位の上側の小羽片が一回り長くなっている。中軸は紫色を帯び、鱗片が毛状になっている。最下位の羽片はV字形となり、下へ向いている。これらの特徴をもとに下記の資料で検索すると、このシダはハシゴシダになるようだが、最下位の羽片がV字形となるとハリガネワラビになる。この辺が迷うところである。
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ハシゴシダ?

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ハシゴシダ:中軸、羽片、小羽片

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胞子嚢の分布

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 最下位の羽片

 これはゼンマイになる。ゼンマイについては、下記の資料で男ゼンマイと女ゼンマイがあることを知ったが、その他のことはまだ理解していない。葉身は、2回羽状複葉で、大きな三角形をしている。羽片には柄があるが、小羽片の柄は不明。小羽片にはY形の葉脈が見られる。葉脈は葉縁へ足しており、葉縁には細かい鋸歯がある。葉柄は緑色で、わずかに鱗片がある。牧野新日
本植物図鑑によると、「葉柄は中脈と同じく光沢があり、葉質はかたく・・・」とある。
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ゼンマイ

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小羽片:Y形の葉脈


撮影:729

  記  平成3088日(水)