三ツ池公園[ベニシダ、ザクロ、ムクゲ、ヤブラン、バショウ]
8月8日(火)
これはベニシダになるのではないだろうか。いくつか見てくると特徴も幾らか分かってきた。羽片を見た時、小羽片の中肋が青みがかった濃い色をしているのが分かるが、この点をベニシダの特徴と説明している資料は見つからない。一般的な特徴は下記の資料にまとめてある。羽軸に見える青みがかった濃い色をしているところは写真をよく見直すと、溝になっている。中軸にも同じ溝が入っている。小羽片は更に裂け、裂片の先はとがっている。柄の下の方には細長い三角形をした鱗片が密集している。
最下羽片の下側第1小羽片は小さく
細長い三角形をした鱗片
胞子嚢の分布:中肋より
コリア庭園へ入ると、目の前にザクロの果実が出現した。表面が黄色いところを見ると、まだ熟していないようだ。
ザクロの果実
ピンク色のムクゲが見えた。花を見ると、花弁の奥の色が濃くなっている。ムクゲは雄しべ、雌しべが面白い形をしている。牧野新日本植物図鑑によると、「花弁は5個あって捲かれており、基部はくっつく、多数の雄しべは単体雌しべとなる」と説明されている。単体雌しべとは、下記の資料にあるように、雌しべと雄しべが一体になっているつくりのようだ。ムクゲの雌しべを見ると、途中から沢山の雄しべが出ていることが分かる。
ムクゲの単体雌しべ
アンズの樹のある植え込みを見ると、ヤブランが見える。今年は早くも何か所かで見て来た。他所では既に咲いているのに我が公園ではまだ咲き出していない。日の当たり具合、土が肥沃でないことなどが影響しているのだろうか。ここのヤブランは未だ蕾が多かった。
奥の庭にはバショウの樹がある。見ると大きな果実のようなものが出来ている。しかし、これは果実ではなく、雄花の苞葉である。下記の資料を参考にすると、「バショウの花は、雌花と雄花が時期をずらせて咲き、自家受粉を避けている」という。「また、はじめに雌花の房がつき、先端はそのまま伸び続け、下垂して、遅れて雄花の房がつく」と説明されている。この大きな楕円形の中から次々と雄花が出てくる仕組みになっている。
バショウ
バショウ:雄花の苞葉
撮影:7月29日
記 平成30年8月7日(月)