三ツ池公園「イヌワラビ、シラヤマギク、ホタルブクロ、ハリガネワラビ、ケブカフモトシダ」
8月7日(火)
石垣の間から1本のシダが出ている。柄は紫色がかっている。最下部羽片基部の下側第1小羽片が欠落している。胞子嚢群は葉の字形に並んでいる。これはイヌワラビと分かり易いシダであった。
イヌワラビ
イヌワラビの胞子嚢群
崖を見ながら中の池に沿って進んで行くと、白色のシラヤマギクらしき花が見えてきた。「本当だろうか」と、目を疑った。近づいてみると、間違いなくシラヤマギクであった。昨年は7月28日に舞岡公園で花を見ている。先日、四季の森公園でユウガギクを見、今日三ツ池公園でシラヤマギクを見た。このところ気温が危険領域に入っている報道が連日されているが、植物は既に秋の気配を教えている。
シラヤマギク
ホタルブクロが見えた。季節外れのホタルブクロの開花である。しかも、石垣の狭い間から枝が出ている。このホタルブクロは、かなり厳しい環境の中で何とか開花まで辿り着けたようだ。そのために、開花が遅れたともいえる。このホタルブクロの生命力の強さには感心させられた。
ホタルブクロ
このシダはさっき見たような気がする。振り返ると、ハリガネワラビであった。先ほどのハリガネワラビと比べてみると、特徴はすべてが一致していた。思った通り、このシダはハリガネワラビになる。
・基の方の羽片を見ると、幅が狭くなっている
・下の方の羽片を見ると、羽片の基部の幅が狭くなっている
・最下羽片はハの字形に下がる
・羽軸が赤褐色、胞子嚢群が辺縁寄りにつく
ハリガネワラビ
羽片の基の幅が狭くなっている、最下羽片はハの字形に下がる
羽軸が赤褐色、胞子嚢群が辺縁寄りにつく
このシダも見た覚えがある。記憶を辿っていくと、ケブカフモトシダの気がしたので、過去の資料を調べてみた。すると、7月18日に四季の森公園で同じようなシダを見ていた。この時、ケブカフモトシダの名前は偶然見つかったもので、印象深く残っている。その時のメモを見ながら特徴を確認した。葉柄から中軸、中肋は紫色を帯び、開出する毛状の鱗片が密生している。小羽片の表面、裏面に疎らに毛がある。ただ葉の裏を見た時、胞子嚢が付いていないのが不思議に思えた。羽片の基の小羽片が耳となって張り出している
ケブカフモトシダ
ケブカフモトシダの柄
ケブカフモトシダの 羽片
ケブカフモトシダの羽片の裏
撮影:7月29日
記 平成30年8月3日(金)