舞岡公園「コナラ、アカメガシワ、クリ、ススキと、クズ、セイタカアワダチソウ、ヤマボウシ」
7月14日(土)
ハゼノキの隣に、先日気が付いたコナラの樹がある。見ると、小さな果実が出来ていた。コナラの果実はその年の秋に熟すという。同じどんぐりの仲間のマテバシイは翌年に熟す。花の開花を見ると、コナラについてはあまり記録に残していなかった。資料1は、平成27年5月7日の記録だが、この時はすでにほとんど花期を終えていた。一方マテバシイは資料2で、今年の6月3日に花を見ていた。この記録から考えると、コナラはマテバシイよりも1か月ぐらい早く開花するので、果実は年内に熟せるようだ。一方、マテバシイは、開花が遅い分、年内には熟せず、翌年まで持ち越すようだ。
コナラの果実
マテバシイの奥にアカメガシワがある。手前が雄株で、奥が雌株である。雄株を見ると、雄花はほとんど散り、花序の先の方に極僅かしか残されていなかった。奥の雌花は、丸い球体がはっきりしてきた。これは子房で、大きくなってきたことが分かる。子房の下の部分に細い紐状のものがあり、頂部には先が3つに割れた花柱が見える。
アカメガシワの雄花
アカメガシワの雌花
アカメガシワの隣にマユミガあり、その隣にクリの樹がある。今年はクリの雌花をよく見ることができなかった。それでも、小さな果実がたくさん見える。こんなに沢山雌花があったのだろうかと、訝うほどである。時期を外すと、雌花は小さな果実になり、花の姿が分からなくなってしまう。地道に継続して見ることの大切さが分かる。
クリの果実
原っぱのような草原を見ていると、場所によって植物相が違うことに気が付く。今通ってきたところは日がよく当たっている場所で、ススキやクズが混生している。一方、クリの樹の下へ入ると、日陰になっている。ここにはススキやクズがなく、セイタカアワダチソウが密生している。環境への適応力の違いを見るのも面白い。
ススキとクズ・・・日向の環境
セイタカアワダチソウ・・・日陰の環境
この草原を2分するように、境にサクラの樹がある。昨年、このサクラについて冬芽から開花まで見てきたが、名前が特定できなかった。今日は、再び冬芽から見直すことになった。葉腋には既に冬芽が出来ている。長さが5mm、幅が3mmと非常に小さいが、サクラの冬芽と分かる姿になっている。
サクラの冬芽
サクラの並木の一番奥に、サクラに続いて1本のヤマボウシの樹がある。しかし、この樹は枯れてしまい葉をつけていない。その枯れ枝を見ていると、紫色の花が枝に引っかかったように咲いていた。ヤマボウシの樹に紫の花が咲くことはあり得ない。よく見ると、左の奥からクズの蔓が伸びてきていた。「やはり、クズの仕業だったかぁ」と思った。それにしても、「クズの開花は早いなぁ」と思った。
ヤマボウシの樹を覆うクズの花
手前のヤマボウシを見ると、ひっそりとしている。つい最近まで、沢山の花をつけ賑やかさがあったが、花がなくなると、一挙にこういう光景に変わってしまう。残された球形の果実を見ると、小花の跡があり、花柱が残されている。大きく拡大すると、球形の果実はサッカーボールに見えてくる。
花を終えたヤマボウシ
ヤマボウシの果実:サッカーボールの様に見える
撮影:7月7日
記 平成30年7月11日(水)