JR沿線の草木「マテバシイ、キョウチクトウ、クヌギ、ハゼノキ、オオマツイグサ、イタドリ、コセンダングサ、ナワシロイチゴ、アケビ」
7月11日(水)
切株があり、その脇から新しい枝が出ていた。この新葉からこの樹の名前が分かるだろうか。この国道沿いにはマテバシイが並木として植えられている。以前この辺にもマテバシイがあったような記憶がある。恐らくマテバシイと思うが、今の葉から考えると、マテバシイとタブノキが考えられる。2つの幼木の葉はどこが違っているのだろうか。葉をもんでみると、タブノキだとクスノキのような匂いがするという。実際にやってみると、そのような匂いはしなかった。従って、マテバシイでいいようだ。
切り株から出たマテバシイの新枝
前方にキョウチクトウの赤い花が見て来た。緑の葉に赤い花が映えて見える。牧野新日本植物図鑑によると、葉は普通3個ずつ輪生するという。写真では2枚のところがあるように見えたが、実物をよく見ると、3枚になっていた。このキョウチクトウは八重で、花弁の数は分からない。一重のものの花冠は、下部は筒になり、上部は5裂している。キョウチクトウはいろいろなところで見かけるが、植物体全体に強い有毒物質を持っているという。注意が必要である。
キョウチクトウの花
この細長い葉をつけた樹はクヌギか、それともクリか。下記の資料で、クヌギとクリの葉の違いについて考えたことがあった。それを見直すと、クヌギの鋸歯は長く、白色に見え、クリの鋸歯には葉緑素があり、緑色に見える」ということだった。今見ている樹の葉の鋸歯を見ると、黄褐色をしている。従ってクヌギの樹になりそうだ。
クヌギかクリか?
クヌギの鋸歯
今度の奇数羽状複葉をしたこの樹はハゼノキになるのではないだろうか。小葉は細長く、7対ぐらいある。葉は両面とも無毛で、先は細く伸びている。葉の付け根は赤みを帯び、葉の裏を見ると、付け根に多少毛がみられる。ハゼノキは茎葉とも無毛であるというので、ここの部分の毛が気になるが、ヤマハゼにするには葉が細長く、枝などに毛が少ない。幼木ということを考えると、この樹はやはりハゼノキになるのではないだろうか。
ハゼノキ
ハゼノキの葉
ハゼノキの葉の裏
先ほど、オオマツイグサの折られた姿を見てきたが、ここでは、花が萎んだオオマツヨイグサがある。オオマツヨイグサは夕方咲き、翌日の朝方萎むというので、この萎んだ花は昨夜から今朝まで咲いていたことになる。夜と夜明けにこの花が沢山咲いている光景を見たことがあるが、それは見事な光景であった。
オオマツイグサ
駅を越えると、線路と国道の間が狭まり、樹木が入る余地がなくなっている。その影響もあり、植物相が変わってきた。線路縁からイタドリが歩道へ張り出しているのが分かる。別の場所で6月3日に花を見ているので、既に花期は過ぎている。イタドリは雌雄が別株という。ここの花は確認していないので、どちらだか分からない。どういう訳か、イタドリは鉄道線路沿いによく見かける。この付近でも、JRや京急沿いに見かけている。
イタドリ
線路の石垣と歩道のアスファルトの隙間からセンダングサの仲間が出て、大きくなって来ている。「こんなとこから・・・」と思うほどのところである。恐らく、コセンダングサかアイノコセンダングサと思うが、センダングサの仲間が如何に繁殖力が強いかが分かる。
この光景は何だろう。上の線路の端から下の歩道までナワシロイチゴが伸びてきている。叢で蔓を伸ばしながら成長している光景はよく見ていたが、ここまで長く伸びてくるとは思わなかった。先ほどのセンダングサ、イタドリといい、このナワシロイチゴも環境に適応し、凄まじい生き方をしている。生命とはこういうものなのだろうか。
これはアケビである。フェンスに絡まっているアケビは見かけるが、殆どフェンスを覆いつくしてしまっているこの光景は凄まじい。藪などでアケビを見かけるが、これほど凄まじい光景ではない。競争相手少ないので、この場所を独占できているのかもしれない。
撮影:7月5日
記 平成30年7月9日(月)