公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

浦島丘で見た植物 「メヤブマオ、セイタカアワダチソウ、ハルジオン、ホソムギ、イヌワラビ」

628日(木)
 
 藪の横の階段沿いに叢がある。狭いところだが、季節の草本類が現れ、野外の観察には一役ある場所である。久しぶりにここへ来たので、どんな草本類があるか見た。
 この株は、ヤブマオ、メヤブマオ、カラムシなどのイラクサ科のどれかである。しかし、どれになるのか、毎年迷っている。以前、調べたことがあったので、この資料を振り返って見た(資料)。『保育社の原色植物図鑑のイラクサ科、カラムシ属の検索表を利用すると、「葉が対生、花被筒には沢山の毛があり、長く見える。大きな鋸歯」とみていき、オニヤブマオ、メヤブマオ、ヤブマオの3つに絞ってきた。更に、葉の鋸歯の先を見て、「鋭頭、上部のものが大きい」ことから、メヤブマオ、ヤブマオの2つに絞った。』ここまでは、何とか進んできたが、最後の検索をしっかり記憶していなかった。


葉は質薄く、先は多くは3尖裂し・・・メヤブマオ
葉は質より厚く、先は尾状・・・ヤブマオ


葉の先の条件を勘案すると、この株はメヤブマオになってくる。まだ花が咲
いていないが、この仲間の花についても分からないことが多い。
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 メヤブマオ

 セイタカアワダチソウが見える。これは繁殖力が強く、どこにも出てくる。しかも、密に出てきて、いずれも大きくなって来る。ここは1度人手が入り、刈られたので、よそ程背丈が高く育っていない。 セイタカアワダチソウについては、葉の浅い鋸歯と、と3脈が決め手になるが、濃褐色をした茎もセイタカアワダチソウの目安に使える。
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 これはヒメジョオンかと思ってみると、ハルジオンだった。もうほとんどハルジオンは衰え、ヒメジョオンに置き換えられている。そのヒメジョオンも勢いがなくなってきている。ハルジオンが見られてもおかしくはないが、珍しく思えた。更に周りを見ると、ハルジオンのロゼットが大きくなっているのが分かる。一見、2度咲きしているように見えるが、2度咲きした資料は見つからない。長い間花を咲かせるので、種子の成長にも個体差が出て、今頃になって咲き出す個体があるのかもしれない。
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 ハルジオンとそのロゼット

 これはホソムギになるのだろうか、ネズミムギとの違いがまだ良く分からない。ホソムギの仲間は、花壇や空き地にいやっというほど出現してくる。今年も、既に何度も見てきている。「小花のノギの有無で見分けられ、長いノギがあればネズミムギ、そうでなければホソムギになる」という。しかし、実際にはこの区別が難しい。

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ホソムギ

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 ホソムギ:ノギがない

 シダの観察会後、自分ながらに調べ始めようとしているが、どこをどう見ていいのか、手掛かりが分からず、当てずっぽうに見ている。このシダは、ここにたくさん見ることができる。名前は何というのだろうか。イヌワラビのような気がするので、牧野新日本植物図鑑を手掛かりに調べてみた。全体が柔らかく、中軸、中肋に紫色の線模様が走っている。他に次のようなことが観察された。
・葉の先端は急に狭くなり尖る
・羽片は披針形
・羽片の基部はくさび形、短柄
・小羽片の縁に鋸歯がある
・葉質はやわらかく、無毛
・最下部羽片基部の下側第1小羽片が欠落する?
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イヌワラビ?

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紫色の線模様

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羽片の裏面

撮影:621

  記  平成30627日(水)