公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

舞岡公園「ホウコグサが咲き出した」

616日(土)
 
 水車小屋の広場の入り口に大きなヤマグワの樹があり、赤い果実をつけていた。ヤマグワの果実というと黒味がかった果実をイメージするが、この果実は綺麗な赤い色をしている。食べられるというが、食べたことはない。
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ヤマグワの果実

 水田の畦道へ下りた。振り返ると白色の花が目に入った。「これはウツギの花ではないか・・・」と思った。もう花期は過ぎ去っている。3輪ばかしの花だが、「珍しいなぁ」と思った。花期の時とは違い、3輪が頭を下げて咲いている姿には、「申し訳ない・・・」と謝っている姿に映ってしまう。多くの花は、既に果実へと変わっている。ウツギの果実は上4分の1が平らにカットされ、その平面に雌しべの花柱が残されている独特な形をしている。
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 ウツギの花と果実

 これはコムラサキである。ムラサキシキブはそろそろ花期を終えようとしていうが、コムラサキはまだ蕾の状態である。ヤブムラサキとムラサキシキブは区別しにくいが、コムラサキは慣れると容易に区別が出来る。コムラサキの花序の枝は葉腋から少し上へ離れたところから出ている。
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 この黄色く枯れかかったものは何だろうか。近づいてみると、オニウシノケグサのようだ。最近はこのオニウシノケグサを注意して見ていなかった。以前の記録を読み返した(資料)。資料1によると
1節から2本の花序が出る。
2本の花序は下が長い。
花序さらに23本の小さな花序に分かれる。
葉の付け根に葉耳があり、葉耳と葉の基部両へりに開出毛がある
が記録されていた。
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オニウシノケグサ

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 オニウシノケグサの小穂

 消えていくものがあれば、新しく出てくるものもある。自然の移り変わりは面白いもので、勢いのあるものには立ち向かっても、負けるだけだが、時が経てば、その勢いは自然に衰えて行く。これが自然の遷移なのだろう。
 オニウシノケグサが衰え始めたが、ホウコグサが現れてきた。ホウコグサは普通ハハコグサと呼んでいる。筒状花だけが集まり、1つに見える花をつくっている。小花は小さく、肉眼では詳細は分からない。ハハコグサに対してチチコグサがある。チチコグサモドキやウラジロチチコグサは頻繁に見かけるが、チチコグサを見ることは滅多にない。
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ホウコグサ

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 ホウコグサの花

 先程、藪の傍で見たイグサが再び現れてきた。今度は水際である。ここならイグサの生育しそうな環境と分かる。
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 イグサ

 畦道を進んで行くとゴウソが出て来た。この名前は「コウゾ」に似ている。植物の名前には似たものがあり、混乱しやすいが、片方を覚えておくと、もう一方も思い出す。ゴウゾ、コウゾを対にして覚えている。ゴウソには雄花の小穂と雌花の小穂があり、茎の先に雄花の小穂がつき、基の方に雌花の小穂がつく。初めて見た時は、雌花の小穂だけを見て、これが花だと思い込み、雄しべや雌しべを探していた。その後、雄花の小穂と雌花の小穂があることが分かり、見方が変わってきた。
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 ゴウソ


撮影:68

  記  平成30614日(木)