公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

三ツ池公園「キクザクラ(菊桜)の神秘性」

422日(日)
 
 花の広場のサクラを見終わり、坂をのぼり、リョウブの丘へ出た。リョウブの冬芽を見ると、もう名残がなくなっている。冬芽からは56枚の新葉が出て、眩しい太陽の光を受けている。新葉には沢山の毛が見える。
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 リョウブの新葉

 遊びの森へ下りると、多くの親子連れが見られた。下りてきたところにはミズキの樹がある。振り返って様子を見ると、白色の花が咲いているように見えた。サクラの開花が早かったが、このミズキの開花も早いのではと思い、昨年の記録を調べた。すると、428日に花を見ている。やはり今年の開花は早いようだ。写真をアップしてみると、残っている蕾が少なく、殆ど開花してしまっているようだ。今日撮影しておいてよかったと思った。
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ミズキ

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 ミズキの花

 この遊びの森から最近新しくいろいろなサクラが植えられた丘へ向かった。途中に、ピンクの八重桜があった。既に、サクラには葉が沢山出ている。このサクラは恐らくカンザンと思った。近くを通ると、その通りカンザンと名札が掛けられていた。
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カンザン

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 カンザンの花

 サクラの丘へ着いた。もう花が終わってしまったサクラもある。キリン(麒麟)があった。ピンクの八重桜で、雌しべが葉化しているのが分かる。花の直径は4.5cmで、萼筒に毛がなく、短い。下記の資料によると、「麒麟は成葉の鋸歯があらい重鋸歯になる点や花の萼片に著しい鋸歯がある点でカンザンと区別される」とあった。萼片を見ると、カンザンには鋸歯は見られないが、麒麟には確かに鋸歯が見られた。

資料:http://www.hananokai.or.jp/sakura-zukan/yp_szukan/d/103.html?10203040

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キリン(麒麟

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麒麟:萼の鋸歯

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 カンザン:萼に鋸歯がない
 
 近くのキクザクラ(菊桜)を見ると、キリン(麒麟)とどこが違うのかと思うほど区別がつかない。花の直径は4.0cmで、萼筒に毛がない。キクザクラ(菊桜)について調べると、ケンロクエンキクザクラ(兼六園菊桜)が頻繁に出てくる。キクザクラ(菊桜)とケンロクエンキクザクラ(兼六園菊桜)が同じものなのか、違うものなのか、そもそも初歩的なところで、躓いてしまった。いろいろ調べて見たところ、下記の資料にぶつかった。資料によると、「花弁が100枚から~300枚と極端に多いサクラをキクザクラ(菊桜)という」ことが分かってきた。更に、この資料では「菊咲き性の桜には貫性(かんせい)という変異がおきており、一つの花の中にさらにもう一つの花が重なって段咲きとなっています」と興味を惹く記載があった。つまり、1つの花だと花弁の数に制限が出て、100枚から~300枚のような花弁はつくれない。菊咲になるためには2つ、3つの花が一緒になるということらしい。1つの花の中に、2つ目の花、3つ目の花が出来てくるようだ。2段咲きとか3段咲きという。
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キクザクラ(菊桜)

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 キクザクラ(菊桜)の萼筒

撮影:413
 
  記  平成30419日(木)