公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

三春の滝桜

422日(日)
 
 410日、三春の滝桜へまわった。バスに揺られて行くと、三春の滝桜へ着くまでにも何本もの大きなシダレザクラが車窓から見えた。この辺一帯はシダレザクラを盛んに育てているようだ。そんな風景が続いていた。バスは広い駐車場へ着いた。駐車場は車でいっぱいである。
 バスを降りて、駐車場を見渡したが、三春の滝桜はどこにも見当たらない。多くの人が駐車場から一段高い所を目指して歩いている、どうもあの方向に三春の滝桜があるようだ。多くの人の後について行くと入り口があった。入口を通って進むと、道は緩やかな坂になり、両側に店が並んでいた。店の間を通り抜けると、左上に目指す三春の滝桜が見えてきた。大きいとは分かっていたが、かなり離れたところから見ても大きく見える。高い樹は見るが、高いだけでなく、幹も太い。とてもサクラの樹とは思えない。こんな巨大なサクラの樹を見るのは初めてである。一歩、一歩近づいて行くと、どんどん大きくなってくる。どんなに大きいのだろうか。
 下記の資料によると、「樹齢は1,000年以上といわれ、樹高は13.5m、根回りは11.3m、枝張りは幹から北へ5.5m、東へ11.0m、南へ14.5m、西へ14.0mの巨木」だという。
 三春の滝桜のあるところは緩やかな斜面になっていて、広い範囲に柵が設けられ、近寄れなくなっている。これだけの巨木だから、この柵ぐらいまでは根が伸びていると思われる。また、柵の外ぐらい離れたところからでないと、全体を見渡すことも出来ない。1か所階段があり、近づけるところがある。そこは長い行列ができ、順番待ちになっている。間近の巨木の雄姿を撮影する人、巨木をバックに撮影する人と人の流れが絶えない。 
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 三春の滝桜

 順番を待ち階段を上って行った。近づくと、三春の滝桜の迫力がじわじわと伝わってきた。アップ写真を撮って、花を確認した。萼筒に膨らみと、毛が見える。確かににエドヒガン系のシダレザクラである。これがソメイヨシノだったら、誕生してからの歴史が浅いので、これ程と大きくならないだろう。花だけを見ると、1000年を経過したこの滝桜の花と普通見かけるシダレザクラの花とどこも変わるところはないようだ。要するに、1000年以上もこの花の形などの形質を維持していることになる。不思議さを通り越し、神秘的な謎になる。
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三春の滝桜へ近づく人

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 三春の滝桜:萼筒に膨らみ、毛がある

 滝桜は13.5mの高さから枝垂れ、下の方の枝は地面近くまで枝垂れている。ただ枝垂れているだけでなく、下の下まで花が途切れることなく続いている。これほど長く枝垂れるシダレザクラも例がない。
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 枝が地面すれすれまで枝垂れている

 これだけ太い幹だから、下の方に空洞があるのではと思って見たが、どうして、どうして最下部の一部を除くと空洞はない。外から中まで正常であることは確かなようだ。下の方の幹を見ると、ソメイヨシノとは違う縦方向の溝模様が見える。この模様はエドヒガンの特徴にもなっている。
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 三春の滝桜:幹の下部

 反対側へ回ってみた。人が少ないので、スケールの大きさが分かる。中央の太い幹の大部分が花で隠されており、小枝が見えない程花が付いていることが分かる。この樹形を保つのには相当の手入れが必要だったと思われる。高く、幅広く広がった滝桜はどのように手入れをしていたのか想像が出来ない。
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 反対がから見た三春の滝桜

 裏側にはナノハナが植えられ、滝桜の開花に歩調を合わすように満開になっていた。ナノハナの黄色と淡いピンク色が綺麗に調和している。正面から見るのとは違った美しさがある。
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ナノハナと三春の滝桜

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 ナノハナと三春の滝桜

 一段高い丘へ上がって、上から滝桜を見下ろした。2段構えになっているのが分かる。右下に人がいるので、大きさが比較できる。驚くほど大きい。1本のサクラだが、何時まで見ていても飽きることがない。これだけ長時間かけて見たサクラの樹は今までにない。この感動は何時までも記憶に残されるだろう。
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 高台から見た三春の滝桜

撮影:410

  記  平成30419日(木)