ヤマグワとヒメコウゾの蕾
4月16日(月)
小沼を出たところの植込みにミツマタがある。ミツマタはジンチョウゲ科の仲間で、花はジンチョウゲの花に似ている。花には花弁がなく、花に見えるのは萼になる。円筒型の花で、先が4つに割れている。内側が黄色く、外側が白色の毛で覆われている。よく見ると味わいのある花である。この花も時の移りには勝てず、枯れ始め出した。
先程、小沼の前の日陰でタチツボスミレミを見たが、ここの斜面には沢山咲いている。夏に向け、この斜面にキンミズヒキや、ホタルブクロ、ホトトギスが現れてくる。いろいろなものがあらわえる前に、タチツボスミレが悠々とこの場を占めている。それぞれが1つの場を時期によって住み分けているのは面白い。
タチツボスミレミの前の植込みにリョウブの樹がある。帽子をかぶったような冬芽の姿がまだ印象に残っている。樹の枝を見ると、冬芽から数枚の新葉が出ていた。幾つかの新葉の基を見たが、もう冬芽の名残が残っていない。この葉を見て、リョウブとは中々分かり難くなってきた。
リョウブの新葉
再び同じ斜面に目をやると、今度は青い色の小さな花が見えた。初夏頃に見かけるキュウリグサである。この草は手に取り、揉んでみると、キュウリの匂いがするというが、実際にやって見たがよく分からなかった。青色の花弁が5枚あり、中央に黄色い輪が見える。
古民家を出た所にヤマブキが咲いていた。今日は既に何ヶ所かでヤマブキを見て来た。季節の花で、中々味わいがある。
ヤマブキ
門の前の植込みのオニシバリを見ると、花は終わり、既に緑色の果実が出来ていた。今年の春はこの花を見損なったようだ。この花も、ミツマタと同じようにジンチョウゲ科の花である。従って、花弁がなく、円筒型の花をつくる。この花は淡緑色である。今緑色の果実が夏から秋には鮮紅色に変わる。嫌でも目が惹きつけられる
オニシバリ
北門へ向かっていくと、右側にヤマグワがある。気を付けながら見て行くと、新葉が出てきて、更にその下には花芽が見え始めていた。新葉の基を見ると、冬芽の名残が残っている。冬芽から出て来た新葉や花芽の量を見ると、「こんなに小さなところによく納まっていたなぁ」と思うと同時に、生命力の神秘さをつくづく思う。
ヤマグワの新葉と蕾
この樹もヤマグワになるのだろうか。暗紫色の小さな粒の集まりは蕾になるようだ。しかし、見た目は大分違っている。ヤマグワに似ているものにヒメコウゾがある。若しかしたらヒメコウゾではないかと、資料に当たってみた。下記の資料などを見ると、どうもヒメコウゾの雄花花序と思われる。
ヒメコウゾ
撮影:4月14日
記 平成30年4月14日(日)
記 平成30年4月14日(水)