こんなところにムクゲの樹があった
1月17日(水)
先日、シダレザクラの冬芽を考えていた時、このサクラがエドヒガン系であることに触れていた。シダレザクラの冬芽は毛深い。「この毛深さはエドヒガンと関係がある」と思っていたが、エドヒガンそのものを見ていないので、確認できていなかった。何処かにエドヒガンがないだろうかと考えていると、三ツ池公園池公園の中の池の縁にエドヒガンの名札が下げられたことを思い出した。今日はその樹の冬芽を見ようと三ツ池公園へ出かけた。
南門へ入ると、左の方の藪が見通しよくなっていた。今日は太陽の日が射しているので、余計明るく、見通しがよく感じたのかも知れない。足は自然とその藪の中へ入って行った。下草も枯れていたので、何の抵抗もなく中へ入れた。ここにはメタセコイアがあるが、冬芽が見えるのは一番奥のメタセコイアである。冬芽は細い枝からこんもりと出た短い枝のようなものの先についていた。褐色の芽鱗に包まれ、楕円形をしている。長さ2㎜、幅1.5㎜と非常に小さい。
メタセコイアのある藪
メタセコイアの冬芽
メタセコイアの横にアジサイが植えられている。その傍に今まで気がつかなかった樹があった。明るい灰色の小さな樹である。何の樹だろうかと、何気なく冬芽に目が行った。枝にはどこかで見た冬芽が付いていた。冬芽そのものはよく分からなかったが、葉痕などを見ると、この樹はムクゲであると分かった。
ムクゲの冬芽
水場へ戻って来た。ここの一画にはシュゼンジカンザクラとナツツバキがある。シュゼンジカンザクラはソメイヨシノより早く咲いてくる。それだけ冬芽の成長も早いと思われる。しかし、残念ながら冬芽の中を見ることが出来ない。シュゼンジカンザクラはカンヒザクラとオシマザクラの雑種と言われている。褐色の冬芽の表面を見ると、毛がないので、艶々している。
シュゼンジカンザクラの冬芽
ナツツバキの冬芽を見ると、数枚の芽鱗が組み合わさっている。その芽鱗を見ると、基の方は褐色で、上へ行くと次第に色が薄くなっている。芽鱗には短い毛が沢山ある。この冬芽が成長してくると、毛の白みが増してくる。
ナツツバキの冬芽
4月初旬、南門を入ると、直ぐ目に入ってくるのは右側のソメイヨシノである。大きな樹で、長く伸びた枝に沢山の花を付ける。しかし、今は花がないので、多くの人は素通りしてしまう。足を止めて枝先を見ると、小さな冬芽が沢山出来ているのが分かる。ソメイヨシはエドヒガンとオオシマザクラの雑種と言われている。この冬芽とエドヒガンの冬芽とを比べるのも今日の目的になっている。ソメイヨシの冬芽は褐色の地に白色の毛が沢山付いている。そのため、先程のシュゼンジカンザクラの冬芽を見てしまうと、目に綺麗に映ってこない。
ソメイヨシの冬芽
奥へ進むと、コシノヒガンがある。花はソメイヨシノと同じ時期に咲く。この花の萼筒に膨らみがあり、意外と太かったことが印象に残っている。花が咲くころには重みで枝が下がって来るが、今は枝が下がっていないので冬芽を直接見るが出来ない。エドヒガン系なので、冬芽の芽鱗には毛があると思うが、残念ながら確認が出来ない。
コシノヒガンの冬芽
撮影:1月13日
記 平成30年1月14日(日)