この褐色に枯れかけた葉はカマツカの葉になるか
12月23日(土)
古民家の裏庭へ入り、沼の周りをまわり始めた。この時期には花らしいものは何もない。奥へ入ると、褐色に枯れかけた葉を沢山付けた樹が目に入った。ここにこのような樹があっただろうかと、記憶を辿ったが、思い出せない。そこで、何の樹か調べることにした。手掛かりは、葉と冬芽である。
葉は互生で、柄が短い。細長い楕円形で、縁には細かい鋸歯がある。鋸歯の先は鋭い。元は緩やかなくさび形で、先は尾状に伸びている。冬芽は、小さく、楕円形で、先が尖っている。芽鱗は濃褐色で、毛はないようだ。
以上の観察結果を基に資料1の検索表で調べると、55個の候補が現れて来た。これ以上条件を絞れないので、1つ1つ見始めた。すると、カマツカのところで目が止まった。先日、四季の森公園でカマツカを見て来たばかりである。そこで、先日の資料2を開いてみた。そこには「・・・一瞬ガマズミの果実と見間違えたことを覚えている。ガマズミの葉が対生であるのに対し、この樹は互生であった」と書いていた。葉の形はよく似ている。ただ冬芽がしっかり写っていないので、気になる。調べて行くうち、もう1つの記録、資料3が出て来た。葉の鋸歯はこの写真とよく似ている。更に検討の余地があるが、カマツカの可能性が高いと思われる。
カマツカ?
カマツカ?の葉
この白色の花はサザンカか、ツバキかどちらになるのだろうか。今咲くのは大抵がサザンカであるが、花の中の雄しべを見ると、束になっているように見える。サザンカは雄しべが束にならず、基から開いている。葉を見ると、サザンカには鋸歯があるが、ツバキにはないという。この樹の葉を見ると、鋸歯があるようにも見える葉もあるが、殆どは鋸歯がない。すると、この花はツバキになるのだろうか。
ツバキ?
ツバキ?の葉
近くにあるクサギとリョウブの冬芽を見た。クサギの冬芽は大きな葉痕の脇から出ている。裸芽で、紫褐色で軟毛があるというが、写真を拡大すると、何とか分かる。リョウブの冬芽は帽子をかぶったような姿をしているので、分かりやすい。ただこの帽子は落ちやすく、冬は裸芽で過ごすという。
クサギの冬芽
リョウブの冬芽
再び、水田へ出た。畦道に土が堆積している。この土は水の流れをよくするため、水路から掘り出されたものである。水路の幅が広がり、水が楽しそうに流れているようだ。ただ、畔に土が盛られたため、春に畦道に草花が出てくるかが気になる。
水路から掘り出された土
最後に、ばらの丸の丘の上り口にあるガマズミを見た。赤い果実がまだたくさん残っている。この果実の空間を冬芽が埋めている。芽鱗は2対あり、1対は小さいという。右側の冬芽を見た時、3つ見えるものの内その側の1対が小さい芽鱗になると思う。
ガマズミの果実
ガマズミの冬芽
撮影:12月12日
記 平成29年12月16日(土)