公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

イヌシデの黄葉

1119日(日)
 
 今年は秋が無く、一気に冬になったようだ。このところいい天気が続く。今日も天気がよさそうなので、昼頃、都筑の生態園へ出かけた。
 地下鉄の駅を降り、せきれい緑道へ出ると、正面に紅葉の景色が見えて来た。周りを見ると、下草は綺麗に刈られている。昨年は、ここに赤い穂をしたススキが見られた。
 正面の樹を見ると、梢が薄紫色に染まっている。あの樹は何だろうかと近づいてみると、トウネズミモチであり、薄紫色の染まっていたのは果実であった。同じものでも、周りの環境が違うと別物に見みえてしまう。
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 左隣りに、全体が黄色味を帯びた樹が見える。この樹が遠くから綺麗に見えた樹である。幹を見ると、灰白色の筋や斑点模様が見えるので、シデの仲間に見える。シデについては、アカシデとイヌシデの2つを知っているが、この2つが上手く識別できない。下記の資料はこの2つの違いを分かりやすく説明していたので、参考にしながらこの樹を見直した。
 1.葉は黄葉している。
 2.葉柄は赤くなく、毛が残っている。
 3.葉の先は尾状に伸びていない。
 以上の3点から察すると、この樹はイヌシデのように思える。
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イヌシデ

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イヌシデの葉

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 イヌシデの葉と冬芽

 直ぐ傍に、上方が褐色になり始めた高い樹が見えた。幹を見ると、今見たイヌシデの幹とは明らかに違い、彫りのある皮目が見られる。上空の葉を見ると、基から次第に広がり、中央より先辺りが一番広くなっている。この形はコナラの葉の形を示している。コナラの樹の多くは、幹が太く、下の方から曲がりくねるが、この樹はケヤキの様な樹形をしていたので、遠くからはコナラと分からなかった。
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 コナラ

 せきれい緑道を進み始めた。引っ切り無しにジョギングしている人が走り過ぎて行く。道は緑道と名付けられているように両側にコナラやケヤキなどの昔の樹木が残されている。太陽の日が遮られ、薄暗いが、山道へ入った心境が味わえる。細い緑地帯を少し離れると、新しくつくられた高層マンションなどが立ち並び、この緑道とは別世界の町が展開されている。
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 せきれい緑道

 ナツツバキと表示された小さな樹木が植えられていた。ナツツバキはいろいろな公園で見ており、馴染みがある。葉は黄色くなり、落ち始めている。冬芽を見ると、数枚の毛で覆われた芽鱗で包まれている様子が分かる。この樹を見るときは、何時も似ているヒメシャラの樹が思い浮かんでくる。ヒメシャラの冬芽もこの冬芽とよく似ている。
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 ナツツバキの冬芽

 小さな花が見えた。冬を迎えるこの時期には珍しいと思い覗いた。これはイヌホウズキではないか。この花を見て思い出したが、今年はこの花を数多く見ていない。この時期に咲くイヌホウズキの例を調べ始めたら、下記の資料には、イヌホウズキの仲間として6種類が明示されており、吃驚した。「深く調べている人はよく調べているなぁ」と驚いた。
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撮影:1113日(日)
 
  記  平成291114日(月)