公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

ケヤキの紅葉

1114日(火)
 
 小さな水田の脇に1本のサンシュウの樹がある。サンシュユは、例年、暮れに幾つかの蕾に色が付いてくる。一つ一つの花は小さいが、沢山の花が一斉に咲いたときは、それは見事である。特に、天気のいい日には眩しいくらいである。小さな花には花弁が4枚、雄しべが4本ある。冬芽は球形に近く、直径が57㎜程で、頂部が凸になっている。中央に縦方向に溝があるので、ここからら開き始めてくるようだ。下記の資料によると、「冬芽を包んでいるのは総苞片で4枚あり、その下に見える細いものは芽鱗で2枚ある」と説明されている。この総苞片が開き、中から沢山の小花が出てくる仕組みになっているようだ。
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サンシュウの冬芽

 水田から道を隔てた小さな沼へ来た。ここの沼は沢山のヨシに占拠されている。この脇に、ネコヤナギが1本ある。この冬芽を見ると、いつも綺麗な色に見えてくる。今日は太陽が出ていて、明るいので、一段と艶がありきれいだ。3月頃になると、赤褐色の芽鱗が割れ、中から雄しべが出てくる。このネコヤナギは雄株である。
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 ネコヤナギの冬芽

 これがこの小さな沼を占拠しているヨシである。大きく、長い穂を出している。ヨシの小花を見ていると、オギやススキとどこが違っているのか知りたくなった。白色の長い毛があるのは、3つに共通している。ススキにはノギあり、オギにはなかった。このヨシを見ると、ノギのような太いものが見える。これは一体何だろうか。牧野新日本植物図鑑によると、「第1花の護頴はなめらかで、・・・長さ12㎝に達する」とあるが、ノギについては触れられていない。大きさなどを計測して置くべきであったが、小花がどこまでかの判断ができず、計測できなかった。
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ヨシ

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ヨシの小花

 沼の奥にはツリフネソウがある。日にちが経っているので、花が見られるか気になっていたが、花はまだ残っていた。しかし、前回ほど新鮮さはなく、花の数も少なくなっていた。果実を触ると、弾くのが面白く、反応を見たが、今日は何の反応もなかた。この花は唇状花で、上唇が1枚、下唇が2枚になっている。この花の萼をよく見ていなかったので、今日はここをよく見た。萼は上唇の上に2枚あるのが分かる。萼はもう1枚ある。これが花びらのような色をした袋状のものである。初めてこの花を見た時、多くの人はこの萼を花と思うに違いない。後ろの方はカタツムリのようになっていて、一層目が行きやすい。
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ツリフネソウ

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ツリフネソウ:果実
 
 今、野山にはセイタカアワダチソウの黄色い花が目立ってきた。荒地や川の土手に沢山咲いていた光景を思い出す。何も分からないうちは、秋に咲く綺麗な花と思っていた。それが、喘息を引き起こす花と言われ、この花が…と思ったこともある。何方が「セイタカアワダチソウの花粉が喘息を引き起こす」と唱えたか分からないが、何の根拠もないらしい。セイタカアワダチソウは虫媒花なので、花粉が風で飛ぶことは考えられない。セイタカアワダチソウにとっては濡れ衣であったようだ。資料でも小花を見て来たが、再度確認した。
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 パークセンター広場へ戻って来た。広場の向こうの方にあるケヤキが綺麗に紅葉している。この紅葉を見ていると、「11枚の葉がよくこんな色に変わるなぁ」と不思議に思える。全部の葉が紅葉しているので、艶やかである。先程のイチョウとこのケヤキを見ただけでも秋の光景を味わった気がした。
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 ケヤキの紅葉

撮影:112
 
  記  平成29119日(木)