公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

コセンダングサ、シロノセンダングサ、アメリカセンダングサ

1113日(月)
 
 今日は天気がいいせいか、丘の上広場には幼稚園児がたくさん来ていた。ざっと数えて50人はいたようだ。ドウダンツツジを見ている間、園児たちは静かに整列していた。自由に動こうとしない園児の姿を見て、感心した。暫く経つと、動き始め坂を下って行った。園児の去った後を追いながら、坂を下って行った。
 坂の右側には、モッコクやツバキがあり、その奥にベニバナトチノキがある。ベニバナトチノキの存在に気付いたのは3年程前であった。坂を上って来る時、何気なく、モッコクやツバキを見ていた。その時、奥に偶然、赤みがかった大柄の花が見えた。その時がこのベニバナトチノキを見る始めとなった。
 今日は低いところに冬芽を見つけた。トチノキの冬芽は粘液に覆われているというが、このベニバナトチノキの冬芽にはそのような気配はない。以前この冬芽を見た時、同じことを感じていた。当時は、望遠写真で撮影した冬芽を見て判断していたが、今は、直接見ている。不思議さを感、じ調べてみると、下記の資料では、「ベニバナトチノキの「冬芽」は、日本のトチノキの様な「粘液」には被われません」と説明されていた。
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 ベニバナトチノキの冬芽

 ベニバナトチノキの冬芽を見た後、パークセンターへ向かって歩き始めると、足元にクリの実の様なものが見えた。手に取ってみると、クリの実にしては大きすぎるし、ここにクリの樹はない。考えられるのはベニバナトチノキの実である。高いところのトチノキの実は見ているが、間近で見たことはなかった。調べると、ベニバナトチノキの果実は棘で覆われているという。これは果実の中身になので、種子になる。
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 ベニバナトチノキの種子

 パークセンターの広場へ出ると、ここはもう子供達で一杯だった。先程は幼稚園児だったが、今度は、小学生である。天気がいいので遠足に来ているのだろうか。小学生は元気で、気ままに走りまわっている。
 いつものように水路沿いに進んだ。沼地の向こう側に黄色いツワブキの花が目に付いた。今は、花が少ない時なので、よく目立つ。
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 少し進んだところに、マユミの樹が2本ある。ピンク色の果実が綺麗に映えている。注意してみると、果実が割れて、中に赤い種子が見えるものがある。更によく見ると、殆どの果実が開き、種子を飛ばしていたことが分かった。マユミの果実の外側には4本の稜があり、そこから4つに割れてくる。
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 マユミの果実

 直ぐ隣のミツマタの蕾が開き始め、中の小花の蕾が見えてきた。これから寒さが増してくるにつれ、この小花の蕾は成長し、外へ出てくる。雪の日に見た、あの黄色い花の姿が、今でも強く印象に残っている。
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 ミツマタ:大きな蕾が開き始めた

 コセンダングサが見えた。この仲間は、アメリカセンダングサ以外は未だよく分からない。このコセンダングサは、花と同時に果実ができている。調べるにはいいチャンスである。花を見たところ舌状花はないようだ。しかし、白色の筒状花が数個みられる。このことから資料1を参考にして考えると、コセンダングサになり、シロノセンダングサ(別名シロバナセンダングサ、コシロノセンダングサ)ではないようだ。果実には細長い棘状のものが放射状に付いている。1本の棘状のものを見ると、長さ1.7㎝、幅1㎜で、棘(冠毛)1.2㎜で、あった。棘(冠毛)は3本ある。
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コセンダングサ アイノコセンダングサ(11/19)の果実

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 コセンダングサ アイノコセンダングサ(11/19):小花の果実

 直ぐ近くに、白色の舌状花を3枚ほど付けたシロノセンダングサ(別名シロバナセンダングサ、コシオノセンダングサ)があった。この果実を見たかったが、残念ながら見当たらなかった。そこで、花を終えていそうな小花を採り出してみた。未だ緑色だが、果実に成りかけている様子は掴めた。長さ5㎜、幅1㎜、棘(冠毛)は3本あり、長さは1.5㎜であった。小花の果実の形はコセンダングサに似ている。
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 シロノセンダングサ:小花の果実の初期

 沼地の脇にアメリカセンダングサがあった。この花は果実と一緒に存在していた。アメリカセンダングサは花の下に細長い総苞片が放射状にあるので、他のセンダングサとは区別が付く。果実はコセンダングサなどと同じように細長い棘状のものが放射状に付いている。このうちの1本を取り出してみると、これはコセンダングサ、シロノセンダングサとは違い、棘(冠毛)は2本である。また、短く、幅が広い。計測すると、長さ8㎜、幅3㎜であった。
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 アメリカセンダングサ:小花の果実

撮影:112

  記  平成29115日(日)