公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

ヤブマオとカラムシ

1025日(水)
 
 先日、ウオーキング三ッ沢小学校の裏のせせらぎ緑道を通った時、ヤブマオの雄花を見つけた。その際、数枚の写真を撮ったが、鮮明でなく、雄花の様子が殆ど分からなかった。そのため何時か撮り直したいと思っていた。
 今日(929日)、現地へ行った。休憩をとったせせらぎ緑道の入り口へ来ると、前方の丘に大きなムクノキが見える。先日見たところでは、この丘にはムクノキが結構あるようだ。カツラの並木を抜けると、ヤブマオの雄花を見た場所になる。ヤブマオは水路の向こうの崖側から水路へ向かって出ている。全体を見渡すと、左側にメヤブマオがあり、右側にヤブマオがある。
  写真を見て、ヤブマオについて調べ始めた。牧野新日本植物図鑑を広げてヤブマオのページを見ると、ヤブマオ、メヤブマオ、オニヤブマオ、ナガバヤブマオ、アカソ、コアカソ、ラセイタソウ、カラムシなどが挙げられていた。各図を見て行くと、ヤブマオについて勘違してきた気がしてきた。今までヤブマオと思っていたものはこの図で見ると、カラムシに似ている。そして、メヤブマオと見ていたものがヤブマオになるようだ。これでは、この仲間について最初から調べ直さなければならないことになって来た。
イメージ 1
ヤブマオ

イメージ 2
 カラムシ

 色々な資料を見てきたが、ヤブマオやカラムシは、いずれも「下部に雄花序を上部に雌花序を出す」となっている。牧野新日本植物図鑑でも同様になっている。しかし、今までヤブマオと思っていたカラムシは、上の花序、下の花序も雌花ばかりで雄花は見つからなかった。それが、ウオーキングの時、偶然雄花が見つかった。その時は、雄花を写真に収めることに夢中になっていて、上の方の花序をしっかり捉えていなかった。改めて、930日、再び現地へ出かけた。そしてカラムシの花を確認した。すると、このカラムシの花が、全て雄花と見えていたものが、違っていて、各資料のように上の花序は雌花で、下の花序が雄花になっていることが分かって来た。

カラムシ

イメージ 3
カラムシ:雌花花序と雄花花序

カラムシ:雄花花序

イメージ 4
カラムシ:雄花

イメージ 5
カラムシ:雌花花序

イメージ 6
カラムシ:雌花

 ヤブマオについて調べていたところが、急転回しカラムシを調べたことになった。
 左側に見えるものがヤブマオになるようなので、これについて調べてみた。
 
 
ヤブマオ
カラムシ
 
明るい緑色
暗い緑色
 
円形
楕円形
 
葉脈
深い
浅い
鋸歯
先ほど大きく、深い
浅く、ほぼ同ジ大きさ
 
先端
長く伸びない
長く伸び、尾状
 
短い毛が多数
短い毛が少数
 
茶褐色を帯びている
平開に近い短い毛が多数
灰白色
上に伏す長い毛が少数
 
葉柄
赤紫色
緑色
  茎
赤紫色
緑色
毛の向きは不規則
上へ向かう伏毛
 
  花
花序
雌花のみ
上の花序・・・雌花
下の花序・・・雄花
雌しべ
長い
短い
 カラムシの方は分かったが、ヤブマオの方はどこを見ても雌花ばかりで、雄花は見つからなかった。下記の資料によると、「雄花を付けないものも圧倒的に多い。・・・この雌花は花粉がなくても種子が作れてしまう(無性生殖)」と書かれている。そうすると、雄花はなかなか見つからないのかも知れない。

ヤブマオ

イメージ 7
ヤブマオ:雌花花序

イメージ 8
ヤブマオ:雌花
 
撮影:929

  記  平成291019