2つのシロヨメナ
10月23日(月)
キツネノマゴに似た白色の花が見えた。先程は同じようにキツネノマゴに似た花を見た時、違和感があったので調べると、ハグロソウになった。今度はどうなるだろうかと、見直した。咲いている花は1輪だが穂状になっている。唇形花の上唇を見ると、後ろへ反り返らず、先が2つに割れている。また、下唇は先が3つに割れている。キツネノマゴの可能性が高いと思い、白色のキツネノマゴで検索してみた。すると、下記の資料が出てきて、変種としてシロバナキツネマゴが掲載されていた。この花は、シロバナキツネマゴになるようだ。紫色が褪せたのかと思ったが、そうではなく、白色のキツネノマゴがあることが分かった。
シロバナキツネマゴ
シロバナキツネマゴ
ノガリヤスが見えた。この草を初めて見た時、カゼクサと見間違えた。外見はカゼクサによく似ている。ただ一回り大きく、カゼクサ程横へ開かないようだ。花序の小穂を見ると、カゼクサとの違いが分かってくる。カゼクサの小穂は、5〜10個の扁平な小花からできているが、ノガリヤスは1個の小花である。
ノガリヤス
ノガリヤス:小花
再びシロヨメナが出て来た。この花には、シロヨメナと記名されているが、入り口で見たシロヨメナより葉の色が薄く、艶がない。そのためどことなく違う気がしてならない。そこで、背丈、花の直径、葉の大きさなどを比較してみると、それほど大きな開きがなかった。また、葉の葉脈上の毛の有無などを見たがこれらの点も大きな違いが認められなかった。薄暗いところ、明るいところの環境によって、多少の色の濃淡が出ているように思えので、この2つはやはりシロヨメナになるようだ。
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自然教育園入口
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武蔵野植物園
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背丈
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90㎝
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90㎝
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花の直径
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2㎝
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2.5㎝
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葉
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長さ14㎝、幅4㎝
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長さ11㎝、幅4.5㎝
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葉の表裏の毛
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裏面の葉脈を除けばほとんど無毛
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裏面の葉脈を除けばほとんど無毛
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シロヨメナの葉の表:都筑生態園で撮影
シロヨメナ:武蔵野植物園(今見ているもの)
シロヨメナ:武蔵野植物園(今見ているもの)葉の表
シロヨメナ:武蔵野植物園(今見ているもの)葉の裏
一通り草木を見て、再び武蔵野の雑木林へ入った。樹の陰から時々右側の高いところを走る首都高速道路2号線が見える。走っている車の音は樹々に遮られ、大きく響いてこない。おろちのマツなどの大きな樹が鬱蒼と茂っている。「昔はこんなに豊かな森が東京に広がっていなのだなぁ」と思いを寄せた。川が見え、間もなく水鳥の沼へ着いた。この辺まで足を伸ばす人は少なく、ひっそりしている。道はここから緩やかな坂となってくる。館跡が見え、この辺も左右に大きな樹木が茂り、鬱蒼としている。昨年来たとき見たイイギリとムクノキの大きな樹の存在を思い出した。
坂を上り切ると、ひょうたん池へ行く道とぶつかった。そこには、アカガシの大きな樹がある。この樹を見ながら一休みした。
アカガシ
撮影:10月12日
記 平成29年10月19日(木)