ナガボノシロワレモコウを見る
10月18日(水)
自然教育園にて
池の中には木道が設置されていて、中を島伝いに歩くことが出来る。木道に降りると、最初に目に入って来たのはツリフネソウである。一角がツリフネソウの群落になっている。この様な光景を見るのは初めてである。この光景を見ると、数に圧倒され、「1つ1つの花はどうでもいいやぁ」という気持ちになってしまう。しかし、今まで1つ1つを注意して見てきたので、繰返すが、見直してみた。ツリフネソウは唇形花で、面白い形をしている。上唇が1枚、下唇が2枚で、花弁は合計3枚になる。面白い形をしているのは萼で、2枚が上唇の基にあり、1枚が袋のようになっていて大きい、そしてその基が渦を巻いた距になっている。何度見ても奇妙で面白い形に見える。
ツリフネソウの群落
ツリフネソウ
ツリフネソウを過ぎると、ここからはミゾソバが広がり、群落をつくっている。この景観も素晴らしい。木道の近くで、花をばっちりと開いていた花があったので撮影した。5裂した萼の先がピンク色に染まった綺麗な花である。
ミゾソバの群落
ミゾソバの花
中の島へ渡ると、ワレモコウが見えてきた。以前来たとき、5月だったが、葉を見て、ここにワレモコウがあることを知っていた。花を見ると、もう咲き切って仕舞たようで、雌しべの痕跡がいくつか見れるぐらいであった。
ワレモコウ
ノギクが道沿いに咲いている。このノギクはユウガギクであり、自然教育園では今が一番の盛りのようだ白色の舌状花、黄色の筒状花からできている。本来ならば、それぞれの冠毛を調べたいが、ここではある程度分かっていたので省略した。
ユウガギク
イヌショウマの花に似たものがあった。しかし、似っているが、明らかに違っている。葉を見ると、奇数羽状複葉で細長いがワレモコウの葉の感じがする。しかし、白色のワレモコウがあるのか分からないので、調べてみた。すると、ナガボノシロワレモコウが見つかった。牧野新日本植物図鑑によると、「雄しべが萼よりずっと長く、黒色の葯を持つ」と書かれていた。実際に見直してみると、確かにそのようになっている。
ナガボノシロワレモコウ
ナガボノシロワレモコウの穂
ナガボノシロワレモコウの葉
シロバナサクラタデが見えてきた。わりと背丈の高いタデである。普段よく見かけているのは、湿原で暗いところであった。ここは湿原だが、明るいところである。一寸条件が変わると、同じものでも戸惑ってしまう。タデ科の花は花弁がなく、花弁に見えものは萼である。シロバナの名前が付く通り、この花の萼は白色になっている。
シロバナサクラタデ
橋を渡り、次の中の島へ来た。ここの水生植物園にはノハラアザミがあるというので期待していた。ところが、今までが、湿原の環境だったのかも知れないせいか、未だに見つからない。
撮影:10月12日
記 平成29年10月16日(月)