公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

アキノウナギツカミが咲く

1018日(水)
 
 ススキやオギが穂を付け始め、秋が深まって来た。園道へ出ると、赤みを帯びたススキがあった。今までススキは、セイタカアワダチソウの金色の世界に対し、銀色の世界をつくるということで、穂は白色とばかり思っていた。ところが数年前から、このような赤みがかったススキの存在に気が付いてきた。「白色のススキが、赤く変わって来るのでは」と思っていたが、何か違いそうに思えたので調べてみた。
 資料1によると、「ススキの小穂の基部の毛が紫色を帯びるものを品種としてムラサキススキ」と説明されていた。しかし、写真を見ると、毛の紫色は明確でなかった。他の資料を探したが、毛が紫色になっているものは見つけられなかった。
 資料2によると、赤いススキ、白いススキ、薄茶色のススキと3つのケースがあることが紹介されていた。さらに、1つの株から赤いススキと白いススキが出ているケースも紹介されていた。
 こうなると、白いススキと赤いススキは別物なのか、同じものなのか分からなくなってしまった。
 そこで、原点に戻って、牧野新日本植物図鑑を開いてみた。すると、1節から出る2個の小穂の柄の長さの違いが書かれていた。それによると、「ススキは1個が無柄で他は短柄、ムラサキススキは1個が長梗、他は短梗」と説明されている。
そこで、赤みを帯びたススキの小穂の柄を見直すと、1個が長梗、他は短梗になっていた。穂の基の毛が明確でなかったので、牧野新日本植物図鑑を開いてみてよかった。「牧野さんは、実に細かい点を見ているなぁ」と思った。このススキはムラサキススキに落ち着きそうだ。
イメージ 1
赤みがかったススキ

イメージ 2
 赤みがかったススキの小穂

 北門のところにアカネが見えた。アカネの葉は4輪生と思っていたが、この花を見ると、葉は対生の様でしっくりしない。このことを調べようと、牧野新日本植物図鑑を見たが、この辺の説明はされていなかった。下記の資料を見ると、「4枚ずつ節から出ているように見えますが、これは対生する2枚の葉と托葉が変化して葉身様になったものです。茎の下部は葉が6枚で中部が4枚、最上部では2枚となっていますが、いずれも托葉の変化によるものです。」と説明されている。これを読んで、今見ているアカネの葉が対生になっていることが理解できた。
イメージ 3
 アカネ

 北門を出たところに大きなマユミの樹がある。淡緑色だった果実がピンク色に変わり、目立つようになってきた。写真を撮ったが、時刻が遅くなったため、黒ずんでしまった。実際には写真よりも鮮やかに見える。
イメージ 4
 マユミのの果実

 ここから下の沼に降りオギを見ることにした。階段を降りて行くと木道の両側にミゾソバがぎっしり咲いていた。よくもこんなに隙間なく咲くものだと思った。まさに1つの小群落である。さらに奥へ進むと、そこにはアキノウナギツカミが咲き出していた。ミゾソバとアキノウナギツカミはよく似ている。ここの群落は一見ミゾソバの群落に見えたが、よく見ると、ミゾソバとアキノウナギツカミが住み分けていることが分かる。肝心なオギを見たが、オギからはまだ穂が見られなかった。
イメージ 5
ミゾソバの群落

イメージ 6
アキノウナギツカミの群落

イメージ 7
アキノウナギツカミの花
 
撮影:105

  記  平成291016日(月)