公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

ノハラアザミとタイアザミを考える

1012日(木)
 
 先日、水田でキクモを見た。しかし、その時は鮮明な写真が撮れず、花のつくりは殆ど分からなかった。今日は明るいので、鮮明な写真が撮れそうと期待した。水田を見ると、青いキクモは咲いている。しかし、接写は難しい。仕方なく望遠で撮影した。筒状の花で、花弁が5枚と数えられる。正確さを知ろうと、牧野新日本植物図鑑を見ると、「資料によると、花冠は筒状で、・・・上部は浅く裂け、唇形となる」と説明されている。この説明では、上唇や下唇が具体的にどうなっているかが分からない。更に、調べると、下記の資料では、「上唇は幅が広く、先端が少しへこむ。下唇は深く3裂し、裂片の先はとがる」と説明されていた。写真の焦点が合っていないので、正確でないが、上に丸みがあり、中央が浅く窪んでいるのが上唇になりそうだ。
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 キクモの花
 
 玉に疣のようなものが付いている。何処かで見た覚えがあるが、名前が思い出せない。カヤツリグサの仲間ではないかと、資料1を見て、その中のカヤツリグサ科をクリックすると、カヤツリグサ属が表れ、その中にヒメクグが出て来た。写真はこれとそっくりである。ヒメクグは聞き覚えのある名前であるが、過去の資料を調べると、平成24年に石見銀山で見ていた(資料2)。懐かしい思い出が浮かんできた。
イメージ 2
ヒメクグ

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 ヒメクグ

 再びアザミが出て来た。このところ何度も何度もアザミについて考え、この辺にあるアザミは大抵がタイアザミに見え、ノハラアザミが見つからないのではと思うようになってきた。そこで、再び考えることになった。ここに試料が2つあるので、この2つについて検討してみる。

試料1
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背丈は80㎝で、花は殆どが上を向いている
 
イメージ 5
 根生葉はあるように見えるが、これが根生葉になるのか断定できない。大きさを計測すると、長さ34㎝、幅14㎝で、中肋は赤みを帯びているように見える。
 
イメージ 6
 アザミの区別に有力になる総苞片を見ると、総苞片の基には雲毛があり、その中から総苞片が出てきているように見える。また、総苞片の先は反っているようには見えない。これだけの条件が揃うとこのアザミはノハラアザミになるのだろうか。総苞片は4㎜程の長さがあった。
 
試料2
イメージ 7
背丈は1mで、この花も殆ど上を向いている。
 
イメージ 8
根生葉はないようで、少し上の葉の中肋は白色である
 
イメージ 9
 総苞片はこちらが短いが、上の方は幾分反っているように見える。以上の条件から考えると、タイアザミになりそうだが、この総苞片の長さと形が気になる。
 
撮影:105

  記  平成29109日(月)