このタデはシロバナサクラタデになりそうだ
8月29日(火)
ネムノキ休憩所から炭焼き小屋へ向かった。畦道から園道へ上がると、目の前に古井戸がある。昔使われた井戸で、昔の人の生活を知る貴重な遺産となっている。田舎の方ではそのまま残されている家もあるのではないかと思う。ここから垣根の中を見ると、先程見たツルボが何本かかたまって咲いている光景が目に入って来た。ここからはよく見えないが、ツルボの花の美しさは先程見てきた。ツルボは一見ヤブランに似ているが、此方の方は、色が薄く、花茎が真っ直ぐ伸びているので、違いが分かる。
先日、ここへ来たとき、垣根沿いにユウガギクが咲き始めていた。その後どうなったか近づくと、花の数は増えていたが、驚くほどの増え方ではなかった。開いた花弁は白色に、僅かに青紫が入っているが、蕾を見ると、青紫色をしている。もう直ぐ、ノコンギクが現れてくる。そのころになると、2つの区別が難しくなる。
ユウガギク
ユウガギクの花
ユウガギクの向かい側を見ると、黄色い花が咲いていた。その花を見て、「いよいよキンミズヒキが咲き出したか」と秋を感じた。この葉は、奇数羽状複葉で、小葉には大小があり、5~9枚ある。この独特の形をした葉が、早くから色々な所に現れていたので、花が咲くのを待っていた。この葉をしたものは「キンミズヒキでは」と思いながらも、花が咲くまでは確信できなかった。
奥へ入ると、垣根の傍に白色の小さな花が咲いていた。タデの花であることは分かるが、正確な名前が分からない。いままでの経験から、シロバナサクラタデの名前が浮かんできたので、調べ直してみた。
背丈は110㎝とタデの仲間では背が高い。花序15㎝の長さがあり、白色の小花が互生している。花柄は下の葉鞘の中から出ていて、葉鞘の縁には長い毛が見られる。
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シロバナサクラタデ
シロバナサクラタデの小花
葉は節から出て、節の上は鞘になり、その先から別の葉が出ている。節の下部は赤みを帯び、上の鞘、葉の表面には上へ向かう伏毛がある。節の上の葉鞘部分は濃褐色を帯び、先に長毛が疎らに見られる。
葉鞘部分
シロバナサクラタデは雌雄が別株だという(資料)。すると、この小花はどちらになるのだろうか知りたくなる。小花は幅3㎜、高さ5㎜ある。雄しべと雌しべを探したが、小さくて分かり難い。幾つかの小花を追いかけ、覗いてみると、白色で2本長く伸びているものが雌しべで、その周り見られる短い5本ぐらいのものが雄しべに見えてきた。従って、これはシロバナサクラタデの雌花、すなわち雌株と考えられる。
雌しべが見える
更に葉の裏に腺点があるというので、確認した。葉の裏面を見ると、腺点を示す緑色の点が散在している。葉脈上には毛があり、葉の縁には細かい鋸歯が見られる。
腺点が見える
撮影:8月22日
記 平成29年8月24日(木)