公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

この樹はニワウルシになるだろうか

822日(火)
 
 水路沿いにススキに似たものが群生している。これだけ群生しているのに穂が1つも出ていないのが気になる。葉の中央には白線が入っている。葉に白線が入るものとしては、ススキ、オギ、セイバンモロコシが考えられる。この3つのうちのいずれかと思うが、この葉だけを見ていると名前を決めがたい。今の時期だと、セイバンモロコシは既に穂が出ているはずである。従って、これはススキかオギの可能性が出てくる。オギは大きな株をつくらず、群生しないという。この生育状態から絞ると、ススキに落ち着いて来る。しかし、この葉を見ていると、果たしてススキかと思う疑問は消えてこない。葉の広さの感じからすると、セイバンモロコシが捨てきれなくなる。もう少し具体的に調べておくべきであった。
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ススキ、オギ、セイバンモロコシ?
  
 黄色い花が見える。以前1度見た覚えがある。過去の資料を辿って行くとヤブツルアズキと名前を付けていた。アズキと名前が付くので、マメ科の植物と分かる。マメ科の植物の花は蝶形花であるので、この花も蝶形花になる。蝶形花は旗弁、翼弁、竜骨弁から成り立っている。この花を一見したところ、どれが何なのかさっぱり分からない。ウイキペディアによると、「旗弁は左右非相称で、竜骨弁は2枚が合着して2分の1から4分の3回転し、右側の翼弁は竜骨弁を抱き、左側の翼弁は左側に突き出た竜骨弁の距にかぶさる」と説明されている。他の資料を見ても、同じ内容が記述されている。そこで、この文面を頼りに写真を見た。旗弁は大きく、2枚あるように見えてしまう。中央に窪みがあり、基はつながっているのだろうか。竜骨弁は回転しているというが、竜骨弁と翼弁が一緒になり捩れていると見た方が分かりやすい、中央の白色で曲がっているのが竜骨弁になり、それを囲んでいるのが翼弁になる。この翼弁の左右は何となく分かるが、正確につかみにくい。
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 ヘクソカズラが見える。この花はどこへ行っても目にする。1度大きな樹全体を覆い尽した光景を目にしたことがある。その時は、恐ろしさが先に立ち、花を調べる気にならなかった。小さいうちは、花が変わっていて珍しさがあるが、大きくなると獰猛が目立ち、クズのように処置に困る植物と感じている。過って、この花を見て、「花は円筒型をしており、先が5つに割れている。円筒型の花弁の外側には細かい毛が密生している。花弁の縁は波を打っており、中央が赤みを帯びている。」と記述していた。
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 クワとイノコズチが見える。水辺に近い方にクワが、道路側にイノコズチが位置している。クワは土が深い場所を選んでいると思える。この辺は昔、クワ畑が広がっていたところである。今は、養蚕農家もなくなり、クワは栽培さえなくなった。昔放置されたクワがこういうところで生き延びてきているのだと考えられる。。
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 クワとイノコズチ
 
 ウルシに似た葉が見えた。これに似た仲間にハゼノキ、ヤマハゼなどがある。また水辺に近いことを考えると、この葉からはオニグルミやサワグルミなどが考えられる。いずれになるのか分からない。幹を見ると、褐色で、白色の点が沢山見える。小葉をよく見ると、互生しているところがある。資料1の樹木検索くんを使って検索すると、候補として、「ニワウルシ」の名前が出て来た。そこで、更にニワウルシで調べると、資料2では、「河川沿いなどに広く野化している」ことが記載されていた。ここは水田の脇の溝である。条件的には似ている。更に資料3を見ると、「・・・養蚕用に植えられ」ということが書かれていた。ここは過って養蚕が盛んであったところである。更に、「小葉の付け根に近い部分に23コくらいの不明瞭なでっぱりがあります」と説明されていた。早速写真を見直してみた。すると、それに似たものが見えてきた。この樹はこの田園地帯に点々と見られる。どうもニワウルシの公算が高くなってきた。
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ニワウルシ

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 幹

撮影:814

  記  平成29816日(木)