公園の草木

公園の草木の観察記録を書いています。

このタンポポはセイヨウタンポポであった

820日(日)
 
 畔を見ると、タンポポが咲いていた。別に珍しくもなんともない花だが、総苞の反り返りを見た。この時期だと大抵がセイヨウタンポポで総苞片が反り返っている。ところが、このタンポポは中途半端に見える。このタンポポセイヨウタンポポでもなさそうに見えてきた。セイヨウタンポポでないとすると、考えられるのはカントウタンポポである。そこで、カントウタンポポについて調べてみた。ウイキペディアによると、「外総苞片が垂れ下がらない(セイヨウタンポポは外総苞片が垂れ下がる)。外総苞片は内総苞片の半分程度の長さで、先に角状突起があるのが特徴である」との説明があった。外総苞片は分かるが、「角状突起」が何を指しているのか分からないので、更に調べることになった。しかし、殆どの資料は、カントウタンポポンの総苞片には「角状突起」があることを示していたが、これがどういうものかは示されていなかった。迷っているうちに、下記の資料に出会った。この資料では、トウカイタンポポでの説明だが、総苞片の角状突起について写真入りで説明があった。この資料のおかげで、「角状突起」を理解することが出来た。総苞片の反り返り、角状突起の有無を念頭に写真を見直した。すると、このタンポポの総苞片には角状突起がなかった。遠回りしたが、このタンポポセイヨウタンポポになるようだ。
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 総苞片に角状突起がない

 タンポポの近くにコニシキソウがあった。何時も見かけるコニシキソウの葉より大分小さいので、最初は違うのかと思ったが、葉の中央にムラキ色がかった斑紋があるのでコニシキソウに間違いないと思った。
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 畔を見ていくと、水田の中から曲がった穂を付けたものが顔を出していた。穂が曲がり絡まっているので、何だか分からない。しかも1本だけで他に似たものが見つからない。絡み合った穂を解いてみた。見たことのある小花が見えてきた。オニウシノケグサになりそうだ。葉舌を見ると、高くなく、先は平らになっている。周りには毛がたくさん見られる。このことはオニウシノケグサの特徴を示している。
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これは何だろうか?

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穂が現れて来た

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オニウシノケグサの小花

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オニウシノケグサの葉舌
 
 更に進むと、タカサブロウが見えてきた。この花は舌状花と筒状花からできている。舌状花を見ると、短い糸の様で無数あるように見える。この舌状花は2重になっているというのでよく見たが、先入観を持ってみなければ、この写真からは確認できない。葉の表裏をはじめ、この花茎には上へ向かう毛が密生している。
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タカサブロウ

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 タカサブロウ:上へ向かう毛が密生している

 イヌビエがある。水田に見られるイヌビエなので、これはタイヌビエになると思われる。葉舌を調べたが、見当たらなかった。イヌビエ、タイヌビエのどちらにも葉舌はないという。従って、葉舌では2つの違いは区別できない事になる。タイヌビエの花穂の方が大型であるといわれている。これは野原で見るものよりは大型に見える。もう少し詳細を調べておくべきだった。
 
撮影:814

  記 平成29816日(水)