深く割かれた葉はブタクサの葉だった
イチョウ、メタセコイアの林床植物を見終え、丘の上広場へ向かった。途中の左手にトダシバが出て来るので、今どうなっているか知りたかった。気を付けながら見て行くと、トダシバを見る前に、イヌコウジュらしきものが見えてきた。確かにイヌコウジュとはまだ確信が持てない。葉は対生し、細長い楕円形をしている。基部はくさび形で、先へ行くと次第に細くなっている。柄には細い翼があり、そのまま茎へ繋がっている。縁には浅い鋸歯がある。表面には短い毛があり、裏面には腺点が見える。これによく似たものにヒメジソがあるが、まだ、この2つの区別が上手くつけられない。
イヌコウジュ
イヌコウジュ:葉のつき方
イヌコウジュ:葉の表面
イヌコウジュ:葉の裏面
トダシバのあったところへ来た。ここにトダシバとトダシバに似たものがある。まず、手前のトダシバに似たものを見た。背丈が90cm、葉の長さ25㎝、幅7㎜。花茎を包む葉鞘の縁に毛がある。葉舌は短く、平らで、細かく裂けている。葉の縁は細かい鋸歯のようなものがある。トダシバには葉の表面に上へ向かう伏毛や縁に長い毛があるが、これ等にはそれらが見られないので、トダシバとは決めかねている。
トダシバ?
トダシバ?:葉鞘の縁に毛がある
トダシバ?:葉舌は平ら
直ぐ上にあるのはトダシバである。昨年も確認している。此方は背丈が85㎝、葉の長さ45㎝、幅1㎝である。前のものに比べると、葉がずっと長い。葉の表面に上へ向かう伏毛や縁に長い毛がある。1本に花穂が出かかっていた。小花を見ると、トダシバと分かる。
トダシバ
トダシバ:表面の毛
トダシバ:葉鞘の毛
トダシバ:花
丘の上広場へ着くと、ブタクサの葉に似た草に花が付いていた。その花を見て、これはブタクサであることが分かった。先日、深く割かれた葉を見て、この草はブタクサかキバナコスモスかと迷っていた。花が咲けば違いが分かるので、今日まで、時が経過するのを待っていた。今、花を見て、ブタクサと納得出来た。ところが過去の資料を見直すと、昨年の8月10日に花を見ていたことが分かった。すっかり記憶から消えていたことになる。
ブタクサ:花をつけた
ブタクサの花序
丘の上広場から一段下がったところにヤマナラシがある。どんな新芽が出来ているか、覗いてみた。すると、黄緑色をした新芽が1対見えた。小さいが丸々太った形をしている。大きさを計測してみると、長さ7㎜、幅4㎜あった。
ヤマナラシの新芽
撮影:7月20日
記 平成29年7月24日(月)