イノコズチの葉とミズヒキの葉
5月26日(水)
そろそろ7月も終わってしまう。7月の三ッ池公園の様子が気になって来た。中でも、イノコズチが気になっている。イノコズチにはヒナタイノコズチ、ヒカゲイノコズチがあるが、いつも目にしているのはヒナタイノコズチばかりで、ヒカゲイノコズチを見ることはない。そろそろ花の気配が感じられるかもしれないかと思っている。
南門を入って、さっそくヒカゲイノコズチが見られそうな一画に入った。ここは、イチョウやメタセコイア大きな樹が聳えていて、日陰をつくっている。切り倒された樹に腰掛け、全体を見渡し、樹木や下草を見た。樹木は皆高く聳えているので、葉はよく見ることが出来ない。幹を頼りにして、樹木を判断すると、入口にケヤキとイチョウがある。ケヤキの幹の下の方は樹皮が剥げかかっている。イチョウの幹は縦方向に凹凸の皮目が見られる。
中へ入って来るとメタセコイアがある。この一角ではこのメタセコイアの本数が一番多い。メタセコイアはアケボノスギともいわれている。この名前は昭和天皇が名付けたという。スギの名前がつくだけに、スギの樹の皮目によく似ていて、皮のような皮目が剥がれそうに見える。
中央辺りにはスダジイがある。スダジイは葉の内側が褐色になっているので、葉が見られればたやすく判断ができる。この幹を見た。幹には縦方向に細かい皮目が入っている。この皮目は、メタセコイアのように直線的でなく、不規則な曲線を描いている。また、この皮目は簡単に剥がれそうもない。
ここの一画の樹木は、ケヤキ、メタセコイア、スダジイの3種であることが分かった。いよいよ下草の草本類を調べることになった。腰掛けている目の前を見ると、イノコズチとミズヒキが混生している。大まかには、手前がイノコズチで、奥がミズヒキである。この混生している光景を見続けていたところ、「この二つの葉はよく似ているのでは・・・」と思い付いた。ミズヒキには長い花序が伸びているので、違いは歴然としているが、この花序がないと、2つの葉の違いが分からなくなってきた。改めて、どこが違っているのか見直した。葉の表面に毛がある点は同じで区別がつかない。色を見ると、ミズヒキの葉は緑色が薄いようだ。葉の付け根を見ると、ミズヒキには茎を抱くタデ科独特の托葉が見られるが、イノコズチにはこのような托葉がない。更に、茎を見ると、イノコズチは稜があり、角張っているが、ミズヒキは丸い。何となく違いが分かってきたようだ。
奥:ミズヒキ 手前:イノコズチ
ミズヒキ:托葉が茎を抱いている
イノコズチ:茎が角張っている
奥の方の民家との境を見ると、背丈の高くなったオオブタクサが一帯を占めていた。以前、何ヶ所かにオオブタクサが侵入してきた光景を見てきたが、「ここにも侵入して来たか」という思いがした。
オオブタクサ
更に下草を見ると、エビヅルが見える。これも色々なとこへ出て来る。エビヅルの絡みついているものが見える。葉が対生している。この葉からは、ナガイモ、ヤマノイモ、ヘクソカズラが思い付く。ナガイモの葉には大きな耳があるので違うようだ。ヤマノイモの葉脈は葉の基部から放射状に出ている。ヤマノイモも違うようだ。残されたのはヘクソカズラになる。資料で確認してみた。
エビヅルに絡みつくヘクソカズラ
チヂミザサも見えてきた。これが花穂付けるころはブヨが沢山現れたことを思い出す。今は、ブヨも見えず、安全なようだ。
チヂミザサ
下草を見ていると、チョウが舞ってきた。動きが早いので、様子が摑みにくい。止まるのを待っていると、離れたところへ止まった。望遠を向けて写真を撮った。写真を資料で調べると、アカボシゴマダラのようだ。
アカボシゴマダラ
撮影:7月20日
記 平成29年7月23日(日)