キバナノマツバニンジンが咲く
6月21日(水)
ケヤキの林を通り過ぎて、左側にあるリョウブの樹を見ようと園道から外れたところ、足元にホタルブクロが見えた。この時期、ホタルブクロは至る所で目にする。何時もの通り、萼と副萼を見た。萼は細く伸びており、副萼は反り返っている。ホタルブクロであることが確認できた。
ホタルブクロ
ホタルブクロ:萼が細長く、副萼が反り返っている
ホタルブクロの内側を覗いてみた。中央にめしべの柱頭が見え、先端は3つに分かれているのが分かる。釣鐘状の花弁の内側に見える赤紫色の斑紋は同心円上に並び、奥まで伸びている。雄しべは雌しべの下の方にあるようだが、写真でははっきり見えない。枯れた花の花弁を開くと、背丈の低い雄しべを見ることが出来た。
ホタルブクロの雄しべと雌しべ
リョウブの樹を見たが、花の姿が見えない。葉のつきも悪いようだ。冬場には冬芽を確認していたが、このリョウブは枯れ始めたような気がする。
リョウブ
園道へ出ると、ホオノキの大きな樹がある。花は高いとこに出来るので、見逃しがちである。今年もすんでのところで見逃すところだった。今日は果実が出来ているのではと、上空を見ると、大きな果実があった。緑色の果実は細長く、表面に棘のようなものがたくさん見える。これが熟すと、赤褐色に変わってくるという。
ホオノキの果実
丘の上広場に大きなヤマモモの樹がある。先日この樹の新葉に赤く染まった葉があり、「ヤマモモの新葉も赤く染まるのか」と不思議に思った。その時、ヤマモモの葉によく似たものにホルトノキがあることを思い出し、若しかしたらこの樹はホルトノキではないかと思えた。今日見ると、赤い果実が出来ていたので、その樹はヤマモオに間違いなかった。ヤマモモとホルトノキの葉の違いを改めて考えなければならなくなった。
ヤマモモ
ヤマモモ:赤い葉
ヤマモモの果実
園道に沿ってモッコクが植えられている。モッコクの葉は匙型をしているので、見つけやすい。枝を見ると、花茎が伸び出し、先に蕾が付いている。蕾の先はいくつかに割れだしているので、もう直ぐ開花になる気がする。
園道のモッコクの樹
モッコクの蕾
ヤマナラシの間に、ヒノキに似た樹がある。この冬から春にかけて、ヤマナラシを見てきたが、間にある樹には目がいかかなかった。久しぶりに、ヒノキかサワラかを調べる気になった。葉の裏の模様がX形ならサワラになり、Y形ならヒノキになる。最初、この模様をみたとき、「おやぁ」と思った。「XでもYでもない」と思えてしまった。それでは何になるのだろうと、幾つかの資料にあたると、この模様はX形に入ることが分かってきた。つまり、この樹はサワラになる。
サワラ:下の樹
サワラ:葉の裏の模様(X形)
ヤマナラシの葉を見た。この冬、残された葉と冬芽からこの樹はヤマナラシではないかと見当をつけた(資料1)。それが、1月22日にはヤマナラシの冬芽と分かった(資料2)。今、葉を見ると、形はミズキの葉によく似ている。ただこちらには葉の縁に浅い鋸歯が見られる。
ヤマナラシの葉
草原にメドハギが目立つようになってきた。花は未だかと見ていると、その中に黄色い花が見えてきた。昨年見たことのある花である。記録を見ると、7月8日に見ている(資料1)。キバナノマツバニンジンと記録されていた。細く小さな葉が、花茎に寄り添うように上へ伸びている。黄色い花弁が5枚あり、メドハギの中に点在している。この花は造成地などの荒地に生育するという(資料2)。ジャノヒゲ、ネジバナの花もメドハギの中に混在している。
キバナノマツバニンジン
ジャノヒゲ
撮影:6月14日
記 平成29年6月19日(月)